【HQ】好きな人に花吐き病を知られました【宮侑】

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「…分かってるやん」
「確認しただけやん」

不満を溢せば侑は笑った。安心したって顔で。

「咳治まったみたいやな、安心したわ」
「…うん、ありがと」

本当は我慢してるし、その顔でそんなこと言われたらもっと花が溢れてくる。

期待もするしやめてほしい。



これ以上他の人に知られたくないから頼まなくちゃ。部活にも早く戻さなくちゃ。

深呼吸してから侑と目を合わせる。これだけで花が喉から出てきそうで辛い。

「侑、このことは誰にも言わんといてほしい」
「分かった。誰にも言わん」
「ありがと」

侑があっさり承諾してくれて助かった。じゃあ、早く部活に戻ってもらわなくちゃ。

「もう心配ないから！ はよ部活戻らんと北先輩に怒られるよ？」
「ゔっ、それは困るわ。…Aもほんま気をつけてな？」
「！」


ムリヤリ笑顔を作って戻らせようとしたら侑は北先輩を想像したのか眉を顰める。

けどすぐに優しい笑顔に変わって、私の頭をポンポンと撫でて部活に戻っていった。






「……だから期待してまうやん‥」


ズルズルとその場にへたりこんでしまう。
両手で顔を隠せば熱が手の平に伝わってきた。

このあとまたたくさんの花を吐いた。

　

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