「鉄骨娘」２ ページ22
「おまたせー。おっ、制服、間に合ったんだね」
「おうっ、ピッタシ。でも、伏黒と微妙に違ぇんだな。パーカーついてるし」
「制服は、希望があれば色々いじって貰えるからね」
「え、俺、そんな希望出してねぇけど」
「そりゃ僕が勝手にカスタム頼んだもん」
会話からするに、虎杖くんは呪術高専の生徒になったっぽい。
制服に関しては私も無理言って結構いじくってもらったから、虎杖くんのはまだちゃんとしていると思うよ。
「………ま、いいか。気に入ってるし」
「気を付けろ、五条先生こういうところあるぞ。それより、なんで原宿集合なんですか？」
「本人がここがいいって」
「アレ食いたい!! ポップコーン!!」
『え、食べ歩き？ ＡＴＭ行かなきゃ』
「……神城先輩、なんで居るんですか？」
「おわッ先輩居たの!? 全然気付かなかった……」
「僕が連れて来たんだ。今から迎えに行くのは女子だし、同性が居た方が向こうも安心するでしょ」
『何それ先生初耳なんやが？』
噂の一年生の制服は、先に仕立てて郵送してあるらしい……今日はその制服を着ているとの事で、手分けして探す事になった。
私と先生は駅前に残り、恵くんと虎杖くんは近所の捜索に人の波へと消えていく。
この場所には“反射”するものが多く、探しモノをするのに私の“術式”は非常に適している。
万が一の事を考えて先生と一緒の行動だったけど……探し始めてものの数十分で、捜し人は見つかった。
「俺達、今からアレに話しかけんの？ ちょっと恥ずかしいなぁ」
「オメェもだよ」
『虎杖くん、お金渡すからそのクレープちょうだい。美味しそう』
「お？ いいっすよ。はい、どーぞ！」
『わぁい、ありがと〜。……うまっ！ 後で追加買いに行きたい！』
「ハァ……」
「おーい、コッチコッチ」
完全に東京満喫を始めている虎杖くんと、明らかに一緒に居たくないという表情をする恵くん。
そんな私達をスルーして、向かいの歩道でモデルの勧誘をしている男性相手に強気で詰め寄っている
相手もこちらに気付いた様子で、何故か不機嫌な様子でこちらに向けて近付いてくる。
…………なんで私、睨まれとんの？
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作者名：神屋之槭樹 | 作成日時：2023年4月16日 18時
