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二度目の完全顕現...No side. ページ36

「素晴らしい!! 素晴らしいよ!!! 私は今!! 猛烈に感動している!!! 乙骨を助けに馳せ参じたのだろう!!? 呪術師が呪術師を、自己を犠牲にしてまで、慈しみ!! 敬う!! 私の望む世界が、今、目の前にある!!!」

乙骨憂太は、目の前に広がった惨事に、言葉が奪われた。

「真希さん?」

足元に横たわる、一部が欠損した禪院真希の姿に思考が静止する。

「本当はね、君にも生きていてほしいんだ、乙骨。でも全ては呪術界の未来のためだ」

夏油傑の言葉が、右から左へと流れていく……。
壮絶な戦闘が繰り広げられたであろう跡に、転がったパンダの姿を見つけて喉を震わせた。

「パンダ君……」
「ゆ”ぅ”だ……」
「! 狗巻君!!」
「“『逃…』”げろ」

振り絞られた狗巻棘の言葉は、“呪言”となる前に消失していった。
乙骨がすべての元凶である夏油に視線を向けた時、その男の腕の中の存在に、大きく目を見開く。
夏油に抱きかかえられているのは、血の気のないまま微動だにしない……神城詠子の姿。

「あぁ、彼女の使う“術式”は厄介だからね。事が終わるまで、眠ってもらったんだ。安心してくれていいよ、悪いようには扱わない」

そう言いながら、夏油は自分の腕の中で眠る詠子の頭にそっと頬を寄せ、抱きしめた……まるで親が子にする愛情表現のように。
……その言動は、彼の中にある張りつめられた理性(いと)を切るには、充分な動機だった。





「来い!!! 里香!!!!」





記録――――2017年12月24日
特級過呪怨霊 祈本里香
二度目の完全顕現





「君を殺す」
「ブッ殺してやる」

埋められた距離感...Yu-ta side.→←破滅の足音



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作者名:神屋之槭樹 | 作成日時:2023年2月20日 0時

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