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二度目の現地入り ページ17

補助監督である伊地知潔高さんの運転と案内で訪れたのは、人気(ひとけ)のない規模の大きな商店街。

「到着です。ハピナ商店街、現在はほぼシャッター外となってます。ここら一帯を解体して大型ショッピングモールを誘致する計画がありまして、その視察中に低級の呪いの群れを確認。狗巻二級術師には、その祓いをお願いします。って、アレ!? 狗巻術師!?」
『棘くん、買い物行きました』

現地に到着して早々に、棘くんは近所の薬局に入っていった。
その事を伝えると、本件の引率をしてくれる伊地知さんは大きな溜息を吐いた。
伊地知さんって、苦労人の鑑だと思う……今度おすすめのホットアイマスクあげよう。

『伊地知さん、棘くん戻ってきました』
「何買ったの?」

乙骨くんに尋ねられた棘くんがビニール袋の中から取り出したのは、ひとつの液体薬。

「のど薬??」
『棘くん、それ持ってなかったっけ?』
「おかか」
『そうなんだ』

棘くんの“おにぎり語”は、たしか「しゃけ」が肯定で「おかか」が否定だったはず……。
私の疑問に否定したという事は、在庫(ストック)していないという意味合いだろうか。

『お待たせしました、伊地知さん』
「い、いえ……。要は、金をかけた建物に曰くが付くと後々面倒なので、今のうちに祓ってくれとのことです」
「しゃけ」
「“帳”を下ろします、御武運を!!」

伊地知さんによって、商店街一帯に“帳”は下ろされた。
内側に居る人間は、私と棘くんと乙骨くんの3人……の、はずなんだけど。

「神城さん、大丈夫? 顔色が悪いように見えるけど……」
「高菜?」
『!……大丈夫』

選択を違えるな、“面倒臭い”を回避しろ……辺りを警戒しながら、私達は奥へと歩みを進めていく……。

“呪言”の恐ろしさ→←外の敵より内の敵...No side.



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作者名:神屋之槭樹 | 作成日時:2023年2月20日 0時

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