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外の敵より内の敵...No side. ページ16

(初めての実戦…いや2回目か?緊張するな…)

乙骨憂太は、久々の現地実戦に対しガチガチに固まっていた。
それも……自分が“苦手”としている相手、狗巻棘のサポートとしての同行。

「しゃけ」
「えっ…あっ、ごめんなさい…??」

紹介時にもあった通り、普段から語彙を“おにぎりの具”に限定している棘は、乙骨にとって何を考えているのか分からない、少しだけ恐怖に近い存在となっていた。
当の本人にそんな気がない事は重々承知しているつもりではあるが、慣れない会話と若干の彼の容姿的な問題から、どうしても心の中で一線を引いてしまい、未だに“一歩”が踏み出せずにいる……。

「憂太、ちょっと」
「あ、はい」
「…………」
「悪いね、今回引率できなくて。でも、ま、本来棘だけで足りる仕事だから、気楽にいきな」

五条悟は、そんな緊張と不安で硬直している乙骨に、持ち前の軽い口調で肩の力を抜くように促す。
いつもの先生の様子に、乙骨は少しだけ緊張を(ほぐ)した。

「君が気をつけるのはただ1つ」
「!」
「里香は出すな」

五条は乙骨に、今後の処遇に関わってくる“注意すべき点”を静かに告げる。

「前回みたいに運よく引っこんでくれるとは限らない。里香の力は、刀に納まる範囲で使うこと」

呪いであり幼馴染みである里香は、この3か月の間に大きな気配は見せるものの、小学校の時のように姿を顕現(あらわ)した事は一度も無かった。
それが、指輪を通して乙骨との繋がりを見い出したからかは不明だが、五条から改めて告げられた事により、一周回って最悪の事態が乙骨の脳裏を支配する……。

『遅くなりました、いつでも行けます』
「……うん、揃ったね。じゃあ詠子、あとは頼んだよ。それと憂太、里香の件だけど……もし、また全部出しちゃったら、僕と憂太、処分(ころ)されちゃうから!!」
「なっ (なんでこのタイミングで追い打ちかけるの!!!)」

二度目の現地入り→←“万が一”を見据えて



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作者名:神屋之槭樹 | 作成日時:2023年2月20日 0時

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