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3か月の成果 ページ12

幼馴染みに呪われた転校生・乙骨憂太が呪術高専に転校してきてから、学校生活はいろんな意味で賑やかになった。
生徒側はもともとクラスメイトが少ないこともあってか、今では彼もクラスの空気にすっかり慣れた様子でうまく馴染めている……観察していても彼の言動に嘘偽りは見えない。
日常生活も良好、あれから里香ちゃんも表に姿を現してはきていない……だけど、時折顔を覗かせる五条先生の本心は、目に見えて“面倒臭い”を抱えていた。

『これ、先生に言われてたやつです』
「こりゃまた……すごい量だねぇ、さすが詠子」

彼が転校して来てすぐに起きた里香ちゃんの完全顕現で得た情報は、少ないくせして強大で。
五条先生にも夜蛾学長にも、これ以上の追究を許してはもらえなかった。

……………。





「やぁやぁ皆、調子はどうだい?」
「あっ、えーと」

パコンッ
五条先生の登場に意識を奪われた乙骨くんが、軽いような痛い音と共に真希ちゃんにシバかれた。

「よそ見してんじゃねぇよ」
「はい」
「さっさと構えろハゲ」
「はい (きっつ!!!)」

転校初日に真希ちゃんと挑んだ呪術実習の一件の後……乙骨くんは五条先生に、呪いとなってしまった里香ちゃんを解呪する事を宣言したという。
そんなに深くは考えなかったけど、私の考えていた“可能性”がひとつ拾われたらしい。

「私から一本とるんだろ?」
「――はい!!」

それからしばらくして、今……彼は真希ちゃんにすっかり懐いて、今日も全力で構ってもらっている。
里香ちゃんの解呪をするという事は、呪いを抱える乙骨くん本人にも当然負担が伴うだろう……基礎体力が乏しかった彼は、毎日こうして、みっちりと真希ちゃんにシゴかれていた。
手加減の「て」の字も見せない真希ちゃんを相手に、一方的な手合わせにならなくなったのは成長の証と言えるだろうか……今だって真希ちゃんが空中に逃げた事を逆手に取って仕留めに行っている。
でもやっぱり、経験値の違う真希ちゃんに、彼の攻撃は届かない。

「嘘ぉ!!! わっ」
「はい死んだ」
「だっ!!」

実力差を知る→←決意と覚悟...No side.



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作者名:神屋之槭樹 | 作成日時:2023年2月20日 0時

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