猟奇的なキスを私にして (ページ31)

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third regret ページ31

シャイなのかな？

サインと交流を終わらせ、あの子に近寄った。
黒い瞳が俺を見て、心臓がバクバクして、試合中よりもアドレナリンが出ている気がした

祐樹「君はサインはいいの？」

声震えてた？
寒いのに汗かいてきた…
汗臭いやつだと思われたらどうしよう…

話しかけた途端、さらにマフラーに顔を埋めて、少し見えた頬は真っ赤になった
それから目が泳いで、体が固まってしまった

「えっ…私に話しかけてますか？」

祐樹「もちろん笑じゃないと日本語ではなさいでしょ」

「あっ、そっか…そうですよね。えっと、あの、どう反応していいのかわからなくて…」

祐樹「日本からわざわざきてくれたの？」

「大学が…オランダなんです。アメリカから編入してきて、今年からここの大学に通うことになったんです」

祐樹「すげえ！頭いいんだ！」

「そっそんなんじゃないんです！！」

小さい手を大きく振って、マフラーから顔が出てきた
顔が真っ赤で、一生懸命なこの子が本当に愛おしかった

「私はずっと勇気が出なかったんです…自信がなくて。でも大津選手が外に思い切って出て、活躍しているのを見て、私も頑張らなきゃって思って…今こうやってここに入れるんです。すごく感謝してます」

目線を伏せつつ、俺をちらちら見ながら話してくれた
あーもう…
どれぐらい俺を虜にすればいいの？
かわいすぎるよ

祐樹「俺はきっかけかもしれないけど、努力したのは君だと思うよ」

そしたら、嬉しそうに微笑んで、ありがとうございますって小さく呟いた

祐樹「ねぇ」

「はい？」

聞いてもいいかな

祐樹「名前、なんていうの？」

君は俺を見て言った

「A…です」