猟奇的なキスを私にして (ページ27)

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twelfth drama ページ27

最低、どっちがだよ
Aもひどいだろ

篤人「あーーーーもう。」
もう午後か。俺は今日一日、ソファから動いてない。

監督から休みをもらった
でもやることはないし、しかもチームに迷惑をかけてることになってて、自分の力不足を感じる

そうやってなにもせずにいたら、考えることはやっぱり俺を貶したAだけ

普通さ、好きな男がいるなら一緒に飯に行ったりしないだろ？
普通に考えればそうだろ

…もしかして俺は男とも思われていないのか

考えれば考えるほど、わからない
キリキリと頭が痛んで、辛い
目を閉じてどんよりとした眠気に身を任せた

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ぼんやりとオレンジの光が灯った
その手前にAが不安げな顔で俺を見ているのがわかる

A「ねぇ、ここ高いでしょ？お金持ってないよ、私」

これは、俺が始めてレストランにAを連れて行った時の記憶だ…

篤人「俺奢るって言ったじゃん。それにAだって奢りって聞いたら乗り気だったじゃん。払わなくていいよ」

A「わっ、割り勘ぐらいできるかなって思ったの！！…ドリンク代なら払えるけど」

篤人「だから、払わないでいーの」

納得してない
不満げにフンっと鼻を鳴らして、腕を組んでそっぽを向いた

そんな俺の思っている通りにうまく行かないところが好きだ
変だけど、そんなところを愛しく思う

A「変な感じ。日本で大人気な内田さんにご飯おごってもらうなんて」

篤人「…別に、俺ジャニーズじゃねーもん。飯ぐらい一緒に行くし、それに男だから奢る」

A「紳士ね」

篤人「まぁ普段は年長者におごってもらうしね。こう言う席ではカッコつけたいし」

A「まぁ、大勢の女の人がこういうことして欲しいって思ってるんだよね。申し訳ないなー」

なんて、ちっとも申し訳ないって思ってもない声で言う
それからニヤッと笑いかける

篤人「嬉しいけどさ、大勢の人に好かれたって意味ないでしょ。誰か一人に死ぬほど愛してもらうことほど、幸せなことない」

A「…それ私にいってます？」

篤人「もちろん」

A「…あなたは大勢に好かれてなさい」

そうやって言い捨てると、遠くから料理が運ばれて来るのを見つけて、「来たきた」ってニコニコ笑った

忘れない
どの思い出も全て。忘れることはない

初めて愛し方を教えてくれた君の一つ一つ、俺の中に染み込んでいる

忘れることなんてできないんだ

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篤人「そっか…」

やっと答えが出た

この恋の答えが。