猟奇的なキスを私にして (ページ26)

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eleventh drama ページ26

篤人「俺をこてんぱんにフって」

A「どういうこと?」

篤人「じゃないと俺…諦めらんないよ」

A「…」

篤人「お願い」

もう、さよならしないといけないかな
君を好きな俺と
好きだった君と

篤人「…もう、疲れた」

A「…うん」

Aが俺を見つめて、口を開いた

A「篤人…」

ピロリロリーン♪

篤人「…」

A「…ごめん電話」

Aがジャケットから電話んとりだし、申し訳なさそうに笑ってから携帯を耳にあてた

A「たくみ?」

その言葉を聞いた瞬間に、カット熱いものが俺の中を駆け巡った
耳の裏からドクドクと脈だつ音がして、顔が熱い
気づけばなにも考えずにAのもつ携帯を奪っていた

A「ちょっと!!」

『ーAさん?』

こいつが、
こいつがたくみ!
俺からAを奪った、Aの彼氏!!

Aは必死に俺の手から携帯を奪おうとするけど、痛む足を我慢して立ち上がった
これでAは手が伸ばせない

篤人「Aの彼氏ですか?」

『そうですけど、あんただれや?』

篤人「いうほどのもんじゃない。なぁ、
この女と付き合ってるわけ?俺にも好きとか言うけど、それでもいいんだ」

止まらない
何故だか興奮して、思っても見ないことばかり口に出てくる

A「やっ、やめて…」

篤人「きっと他の選手とも仲良いよ。しょっちゅう飯行くし。浮気されるのももうすぐじゃね?よく付き合ってられるね」

『お前だれや？Aさんになにしてるん?!』

篤人「とりあえず、早く別れたら?」

A「やめてよ!!」

バシンッ!!!

頬に強烈な痛みが走って、Aの携帯が床に大きな音をたてて落ちた
Aは急いで拾いあげる。通話は切れたようだ

A「…最低」

篤人「…」

A「フってよって言ったくせに」

篤人「…ははっ、もうわけわかんねーよ」

A「私の方がわかんないわよ!!」

だよね
そうだろうね。でも自分でもなんでこんなことしたのか、そんなんわかんねーよ

A「一緒に飯に行った?そんなのあなたが無理矢理連れてったんでしょ?!
追いかけ回してたのは篤人、一緒にいるのは楽しかったけど、好きだなんて言ってない!」

篤人「俺は…俺は好きなんだよ、Aのことが!!それなのに、一緒にいるのはよくて、恋愛はできないって、自己勝手すぎんだろ!!」

A「篤人もね!なんでこんな勝手なことするの?本当に最低‼︎」

キッと鋭い目で俺を見て、涙を浮かべてAは部屋を去って行った