猟奇的なキスを私にして (ページ23)

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eighth drama ページ23

A「ずっと好きだったの。でも会えないし、私はちらっと見たぐらいだし。私なんて仕事の人なんだなって思ってたのね。
でもちゃんと伝えたらOK貰えてね、すごい嬉しかった……本当に嬉しかったの」

篤人「誰?」

A「なーいしょ！！」

篤人「誰だよその男！」

A「…あつとぉ？」

Aがフラフラ揺れながら首を傾げる
それからトロンとした目で俺を見つめる
きっと今日のこと覚えてないはず

篤人「俺の気持ち知ってたろ？なんでそんなことできるわけ？」

A「篤人すきだよ」

篤人「今更なんだよ。彼氏いるくせに…」

A「篤人は～わたしといっしょにいて、寂しくなくなって、ほんとうに感謝してるよ～」

つまり、俺はただ寂しいからそばにいたってだけ？
便利だからそばにいたの？

篤人「A…なんで俺じゃダメなの？」

俺はダメなの？
Aの一番になれないの？

その笑顔を独り占めしたい
何度も願った
…俺はそれができないの？

篤人「A…」

A「ん～…」

腕を交差して、寝る体制になったA
変わらずに愛おしい。
こんな女、ろくでもない
嫌い。嫌いになりたい
嫌いだよ、Aなんか

こんなそばにいるのに、好きになってくれないで、ただ翻弄するだけのAなんか嫌いだ

嫌いだ……

篤人「うっ……」

泣きたくなんかない
この人のために泣きたくなんか。
そんなことしたくないのに……

A「あつとぉ～いい子いい子～」

半分眠ったようなAが、俺の頭をポンポンと撫でる。
じんわりと暖かくて、それでいて俺の心をゆっくりと傷つけていく

何も思ってないくせに
心配してくれて、誰にもない笑顔を向けてくれて、誰かの為に泣いたり笑ったり。

…そんなAだから。
俺は本気でAに恋をしたのかもしれない

篤人「……好きだよ…」

これから先、この気持ちは消えるだろうか

ちゃんとケリをつけられる？
俺はこの人なしで生きていく
俺にはそんなことはできない…