花のようにII (ページ5)

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その日から颯太の体調は良くなっていった。

集中治療室から一般病棟に移って様子を見ての退院ということだった。

湧がいない日は2人で院内デートをした。

颯「デートどこいきたい？」

『夢の国行きたい！』

颯「オソロのカチューシャつけてぇ」

『憧れ…』

颯「するか！」

『しよう！』

颯「手」

『手？』

颯「繋ぎたい」

『…うん』

中庭のベンチで手を繋ぎながら話す時間が何気に楽しかったりする。

颯「ごめんね、満足させられなくて」

『颯太とならどこに行っても満足だよ』

颯「っ…かわいすぎるからやめて、」

『口に出さないでよ…恥ずかしいじゃん…』

2人して俯くからお互いの顔なんて見れなくて。

でもずっと手は離さなかった。

下を向きながら話していると

颯「ねぇ見てみて」

『ん？どれっ…』

唇が重なった。

夕方であたりは暗くて見えないだろうけど

きっと私の方真っ赤…

颯「顔真っ赤だよ」

『颯太だって！！』

颯「これがバカップルって言うのかな？」

『颯太はポンコツだから一方通行だね』

颯「ポンコツじゃねぇ！」

『ごめんって笑』

きっとドラマではいい雰囲気なんだろうけど

私たちは結局いつも私たちに戻る。

こういうところが好きなんだろうな。

颯「明後日退院できるって」

『ほんとに！？学校来れる？』

颯「もち」

『教室に騒がしい人いなくて寂しかったわ～』

颯「手繋いで教室入っちゃおっか」

『っ…バカっ…』

颯「はい決定～！」

なんて嬉しそうな顔をする君のそばにずっと居たいって思った。

この時間がずっと続けばいいのに