花のようにII (ページ14)

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your side

颯太「A、俺死ぬの怖い」

初めてだった。

颯太が弱音を吐いたのは。

ずっと怖かったと思う。

辛かったと思う。

動かない体

上手く作れない表情

全てが弱々しくなっていった。

そんな君が今静かに涙を流していた。

颯「ごめん、俺なんもできなかった」

『颯太…』

颯「幸せに出来なくてごめんね」

『颯太？聞いて？』

颯「……」

『私ね、颯太と入れるだけで幸せだから。今だって2人でいる時間が幸せなの。
あの日出会った時から今考えたら幸せだったよ？

登下校した時間、ふざけて笑い合った時間、夏祭りの時間、体育祭の時間、デートした時間、キスしたあの瞬間だって…

全部私の幸せ、ありがとう』

颯「俺もだよ。好きになった相手がAでよかった。いやAじゃなかったら嫌だった」

『もう…流さないでよ…！』

颯「泣いてる姿俺以外に見せないで」

『うん』

颯「だけど辛い時は抱え込まないで俺に言って。頼りないかもしれないけどAのためになりたいからさ」

『…これからも2人でいよ、絶対』

颯「うん、絶対」

最期のキスにならないように。

甘い口付けを交わした。