Ｄ機関での生活 ページ14
秋山がＤ機関での生活を初めて半年余りが経った。
一時はどうなることかと思ったが、ここでの生活にも慣れてきた。
Ｄ機関は思ったよりも居心地の良い場所であった。
秋山を含め、学生たちは皆、自負心の塊のような人間たちだった。その自負心は持って生まれた優秀さに裏打ちされていた。だからといって隠すようなことはしなかった。お互い深く干渉することもなく、程よい関係が秋山にとっては気楽に思えた。
初日に結城が秋山のことを女だと告げたことにより、秋山以外の学生たちは最初はよそよそしかった。しかし、共に訓練を行う過程で、秋山は女であっても紛れもなく自分たちと同じ類の人間だと徐々に認めてもらえた。
「女だから」、「女のくせに」。侮られるのはもう慣れていた。
だからこそ、対等に扱ってもらえるのは秋山にとって嬉しいことであった。
(寧ろ私に対する扱いが雑になってきた気もするけどね…。体術の訓練とか容赦ないし。たぶん女だとほとんど思ってないな。まぁ、別にいいけど。)
だんだん分かってきたことだが、Ｄ機関にはどうやら予算が余りないらしい。
現在使っている建物も元は鳩舎として使用されていたらしい。
機関員たちの間で秘かに魔王と呼ばれている結城中佐が、陸軍の上層部相手に何とか予算を通そうと奮闘しているかと思ったら不思議と人間味を感じた。
秋山はＤ機関で唯一の女である。他の機関員たちは皆、共同の寝所があったが、さすがに一緒に寝るわけにもいかない。
秋山のみ、小さな一人部屋があてがわれた。
結城に自分の部屋を指示され、どんな部屋かと少し期待して行ったら、何のことはない。元々、物置のようにされていた小さな部屋であった。しかも長らく使っていなかった所為か、カビ臭い。
(これは先が思いやられる・・・。)
秋山はため息をついた。そして丸一日かけて、なんとかベッドと机だけは置けるよう片付けた。
Ｄ機関での生活で、秋山は機関員と接しているうちにだんだん彼らの事が分かってきた。
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kk10299750(プロフ) - あさん» ありがとうございます！光栄です(^^)頑張って書き進めます！ (2016年10月19日 23時) (
レス) id: 94db77b54b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 面 白 か っ た で す 次 が 楽 し み で す (2016年10月19日 16時) (レス) id: ab5963e87e (このIDを非表示/違反報告)
kk10299750(プロフ) - つがるさん» ありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しいです(^^)もっと面白い話が書けるように精進いたします！ (2016年10月9日 12時) (レス) id: 94db77b54b (このIDを非表示/違反報告)
つがる - 面白い小説ですね！更新楽しみにしています^ ^頑張って下さい！！ (2016年10月9日 10時) (レス) id: a382114b2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有馬 | 作成日時：2016年9月26日 23時
