ずっとあたたかい愛の中で (ページ7)

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ich liebe dich！ izw×kwmr ページ7

前回までのあらすじ。
酒の勢いで伊沢と一線を越えてしまった僕。次の日、押しに弱すぎた僕は、気づいたらなぜか伊沢と付き合うことになっていた！

……まぁ、ね？
付き合うなんて言ったって、伊沢だし。
僕達は何を隠そう、会話をスマブラの要領でしていた関係だったわけだから。
そんな、ね？
そんないきなりさ、ガラッと変わるとはさ。
誰も思わないじゃん。
どうせ3日で飽きるだろ……そう思っていた1か月前の僕を殴りたい。

「河村さーん、まだですか」

撮影部屋のソファに寝転びながら僕を待っている恋人は、2人きりなのをいいことに甘ったるい声で僕を呼ぶ。
もう付き合ってから1ヶ月以上が経過していたが、未だに僕は、この甘い空気に困惑している。
だって、そうでしょ。
僕たちは長い間友人だったのだ。しかも、「悪友」と形容されるような。
それなのに、1か月前まで本当に僕たちは友人だったのか？……そう錯覚してしまうほどに、今僕たちの間を流れている空気は恋人のそれであった。
これが甘酸っぱい恋愛の駆け引きを経ての関係なら理解できるのだが、僕たちは違う。
友人だったところから、一晩で関係が変わってしまったのである。しかも「責任をとらせてください」とか、そんな言葉から。
それでそんな、当日からハイ恋人ですなんて、普通できるわけが無い。

……いやまあ、あいつはしてたけどさ。
明らかに縮まったパーソナルスペースに甘く優しい態度、そして延々と飛んでくる愛の言葉。
突然そんな大層なものを浴びせられて、僕は何も分からなくなった……いや、考えるのをやめた。
もしかしてあの晩の出来事は仕組まれていたのでは……とか、頭に浮かんでも、検討することはもはやできなかった。
考え始めたら終わりだというのもあったが、どちらかというと、考える間も与えられなかったというのが正しい。
経験したことも無いほどに愛を与えられて、気づけば埋もれてしまっていたのである。