ずっとあたたかい愛の中で (ページ4)

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グーテンモルゲン izw×kwmr ページ4

グーテンモルゲン

izw×kwmr

チチチ、と鳥の鳴く声がして目が覚めた。
蒸し暑い季節にしては爽やかな朝で、エアコンがついてるなと、寝ぼけ頭で考えた。
そして、思った。

「これが朝チュンか……」

起き抜けの景色が自室でなかったところから、少し察していた。
……まさか、まさかな。
一抹の希望を抱いていたが、それはあえなく崩れ去った。
何故か着ていない衣服と、鈍く痛む腰。
もうこれは確定だった。
導き出される事実に、頭を抱えるしかない。

ーーどうやら昨晩、伊沢とヤッたらしい。

やばい、なんにも覚えてない。
二日酔いで痛む頭で、何とか昨夜の記憶を手繰り寄せる。

昨日は、仕事の帰りに伊沢と宅飲みをしていた。
途中まではいつも通りで、仕事やらクイズやらの話をつらつらと並べながら、お酒を楽しんでいたはずだ。
雲行きが怪しくなったのは、5本目の缶に突入したくらいだった。
もうその頃にはお互い酔っ払っていて、頭が馬鹿になっていたのだと思う。
気づけば、「男同士の行為は気持ちいいらしい」という話題になっていた。
……うーん、会社のイメージにはとてもそぐわない下品な話題である。
しかし僕たちも男だし、大学時代からの付き合いともなれば、そういう話が出てくることも珍しくはないわけで。
だいぶ話は盛り上がって、僕も面白くなって、それから……。

「はぁ……」

思わず大きなため息が漏れた。
行為のことは思い出せないが、もう察した。
そういうことね、クロです。
しかも僕がネコ側だったのね。
そういう知識なんてへえそうなんだで留めておけば良いものを、なぜ実行に移してしまったのか。

なんとか気怠い上体を起こして、ベッドのヘッドボードにもたれかかった。
眼鏡もコンタクトもつけていないせいで、映る景色はぼやけている。

……これからどうしようかな。

まだ朝早いようだし、伊沢はおそらくこの家の中にいる。
どんな顔をして会えばいいんだ。
謝ればいいのか、何事も無かったようにしていればいいのか。
……童貞には無理な難問である。
僕がうんうんと唸っていると、

ーーガチャ。

ドアノブをまわす音がした。