ずっとあたたかい愛の中で (ページ15)

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いい歳をしたバカップル2人の小話 izw×kwmr ページ15

クイズに正解するとクイズがもらえるクイズのその後の妄想です。

「ちょっと伊沢さん、動画で甘い雰囲気出すのやめてもらっていいですかね～」

動画の撮影が終わって「ハイ」と合図が出た瞬間に、山上の参ったような声。
つい先程伊沢が言い放った、あの優しい「えらい」のことを言っているんだろう。
注意された当人はといえば、知らばっくれた顔をしている。

「いやいやいや、社員を褒めるのも社長の仕事ですからね。ね、河村さん？」
「そういうこと」
「なんで河村さんがそっち側なんですか」

だって、満更でもないんだもん。
そんなことはとても言わないが、嬉しかったのだから仕方がない。

「というか河村さんもですよ？画面外とはいえあんなガチ照れされたらこっちが照れるんでやめてください」
「えー、なんで？僕わかんない」

僕がとぼけた風に言うと、山上はハァ、と大きなため息をついた。
そして大声で、

「あなた達が付き合ってるの知ってるからですよ！」

そう、僕と伊沢は付き合っている。
この事実は会社の皆に公認で、となるともちろん山上も知っているわけで。

「目の前でイチャつかれるといたたまれなくなるんですよね」

気持ちはわかるけれど、別にこちらもイチャついているつもりは無いんだけどなあ。
伊沢とそろって首を傾げていたら山上は困ったような顔をして、画面外にいたこうちゃんに助けを求めた。
彼は一言も言葉を発していないが、先程から僕の隣でものも言えないほどに笑い崩れている。

「こうちゃんさんならわかりますよね！？」
「あはは、気持ちはめちゃくちゃわかるわ。でもふたりが余りにも隠す気ないから、俺は慣れたかな～」

あら、隠す気がなくてごめんよ。
こうちゃんがケタケタ笑うのを見て、山上はまたため息をついた。
当事者に言われたくはないだろうが、まあなんと可哀想な山上。

「そういえばおふたりって家でもあんな感じなんですか？」

追撃で、こうちゃんの質問。
彼を見ると、好奇心と顔に書いてある。
たしかに伊沢が恋人に甘い様子ってなかなか思い浮かばないよなあ、わかる。

「聞きたくないけど気になる……」

山上も同意したから、話さなくてはいけない雰囲気になってしまった。