ずっとあたたかい愛の中で (ページ11)

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伊沢は、どんな顔をするだろう……。、
僕があまりにも真剣な顔をして吟味していたからだろうか、今度はふくらが気まずそうに目を逸らした。

「黙られると俺が恥ずかしいんだけど」
「すまん。それありだなあって考えてた」

考えるとダンマリになってしまう癖も直さなくちゃなあと、思ってはいるんだけどな。
早速今日やってみるわと伝えれば、ふくらは「報告は任意でいいよ」と笑った。

「でも良かった、河村が楽しそうで」

ふくらがしみじみと言ったのを聞いて、首を傾げる。

「そうか？」
「うん。既成事実作られた！って字面が飛び込んできた時は心配だったけどさ、１ヶ月で人って変わるもんだね」

既成事実という言葉に苦笑する。だって事実なんだから、仕方ないだろ。
というか僕、そんなに変わった？……そう聞こうとして、やめた。
心当たりならこれ以上ないほどにあるじゃないかと気づいたのだ。
触れる体温が心地良いとか、愛の言葉が嬉しいだとか、素直に気持ちを伝えたいだとか１月前では考えられない。
この１ヶ月で、僕はすっかり変わってしまったのだ……おそらく、良いほうに。
自分の中の伊沢の存在がとても大きくなっていたことに気づいて、口元が緩む。
「愛の力じゃない？」とふくらが言ったから、僕も「そうかもなあ」と答えた。
いつもなら「ロマンチストか」とバッサリ切っていたところかもしれないが、今日は違う。
今なら、この気持ちも伝えられる気がした。