背中。 ページ31
.
あれから数日間だけ入院することになり
毎日誰かが見舞いに来てくれた。
「神ちゃん〜!もう元気かぁ!?」
「おう、ありがとう濱ちゃん」
「お花買ってきてん、入院中暇やろ?花でも眺めとき」
「俺、明日退院やけどな」
「………まじかよ」
今日は濱ちゃん
この前は流星と望
照史くんも来てくれたりしたな。
「………主任は、忙しそう?」
でも、しげと主任だけはこの数日顔を合わせていない
しげはあの救急車の中以来、
主任はあの事件の時以来、声も聞いてない。
「あぁ…アイツ今、上に怒られとって…」
「え?」
花を机に置いた濱ちゃんは、近くにあった丸椅子に座って申し訳なさそうな顔をした。
「今回、上になんも言わんと潜入捜査とかしたからさ、主任のAが呼び出されてお叱りを受けたんや。」
うそやん……俺、最低や。
勝手に行動してたんは俺やのに
怒られるべき人間は俺のはずやのに
なんで主任が………
俺の表情で思ってることがわかったらしい濱ちゃん
「でも大丈夫やで。まぁ、実を言うと、Aは神ちゃんが入院してる期間だけ自宅謹慎。俺らも前にやってた事件は二課に回されたけど、仕事減ったってことで嬉しいから!」
「そんな、」
「気にするな!神ちゃんの事責めるやつはおらんで?Aも自宅謹慎になった時、神ちゃん1ヶ月くらい入院せんかなって言ってたぐらいやし」
なぁ?アイツ部下の事そんなふうに思ってるんやで?
いつものような優しい笑顔を向けて
気にすんなって俺の肩をポンポン叩く
少し、気持ちは軽くなったけど
照史くんも望も流星も……
「なんで皆言わへんねん。」
「別に神ちゃんのせいやと思ってへんからやで…って俺、言ってもうたけどな。笑」
皆、優しすぎや。
「明日、すぐに主任に会いに行こ」
「うん、多分もう退院したの?って言われるで」
「……それ、主任のマネ?」
「そ!結構似てへん?」
自分が悪いはずやのに
それを気にさせへんように包み込んでくれる濱ちゃんは、誰のでも自分のことのように考えてくれるし想ってくれる。
そんな先輩、なかなかおらん。
主任のモノマネは似てへんけど。
「じゃあ、そろそろ行くわ!」
「濱ちゃん…ありがとう」
自分の膝をパンッ!と鳴らして立ち上がる
病室から出ていくその背中を見て
俺も自分の顔をパチンと叩いた。
.
649人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モンチ(プロフ) - にこさん» お返事ありがとうございます!はい!待ってます! (2017年12月6日 23時) (レス) id: 800d585497 (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - モンチさん» コメントありがとうございます!今、いろいろあってあまり更新出来ないのですが必ず完結させますので今後ともよろしくお願いします!! (2017年12月6日 23時) (レス) id: af72205222 (このIDを非表示/違反報告)
モンチ(プロフ) - この作品めちゃくちゃ面白いです! (2017年12月4日 9時) (レス) id: 800d585497 (このIDを非表示/違反報告)
やまこたラブ(プロフ) - にこさん» ハイ!元クララブです!!!これからもよろしくお願いします!!! (2017年7月21日 22時) (レス) id: 8648ff81d6 (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 妃愛さん» えぇ〜!最初から……ありがとうございます!励みになります! (2017年7月21日 22時) (レス) id: 0c292db25f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にこ | 作成日時:2016年5月15日 12時