day 27�� ページ39
破片を包んだ新聞紙の他に、空き缶・空き瓶の入った袋を(以前、娯楽雑誌を出した)資源物用ストッカーに出して、御邸に戻ると暗めの廊下で「Aさん」と声をかけられて驚いた。
「テヒョンさん？」
「兄さんのカップ落としたのは俺です、ごめん」突然の告白。
変な現象じゃなくてよかったと思いながら「どうしてあんな事」と聞くと「ユンギ兄がAさんの視線を5秒以上独占しそうになったから」とテヒョンさんは下唇を噛むと話を続ける。
「自撮り棒を使ってカップを押し出して、逃げました」
彼の話を聞いているうちに、私も悪かったなという思いが胸にのしかかる。
黙ったままの私にテヒョンさんは「しっかりしてください」と私の肩を掴んで揺さぶる。
「Aさんはみんなの魔法使いなんですよ。勝手に誰かのものになるのはダメです」彼なりの言葉で注意を受け「はい、ごめんなさい」考えるより先にそう答えていた。
私の返事を聞いたテヒョンさんはニッと笑い「じゃあ、俺はこれで」と廊下の奥へと消えていく。
驚いたけどテヒョンさんの言っていることが妙に納得できる自分がいる。
=
キッチンに戻ると洗い物が終わっていた。
「ありがとうございました」と洗い物をしてくれたホソクさんとジミンさんにお礼を言う。
ホソクさんは「僕が必要な時はいつでも言ってくださいね。じゃあ、先に上にあがります。・・・・あ、ジミン。後で部屋に遊びに行くから」と言ってキッチンを出ていく。
「ホソク兄さんはさっきのカップが落ちたのが怖いみたいです」ジミンさんはヘヘっと笑って、シンクの周りをフキンでさっと拭いてくれた。
さっきのカップか・・とテヒョンさんを思ったらため息が出てしまった。
「どうかしました？」と反応すジミンさん。
「いいえ・・・あとは私がやりますから、ジミンさんも休んでください」
「ん、じゃあお願いします」ジミンさんは私にフキンを預けるとキッチンから出ていった。
それからほんの数秒後「Aさん」とジミンさんは戻ってくると私の背中をポンポンと叩いた。
ここ連日、仕事に向かう前に私はジミンさんの背中を「大丈夫、がんばれ」という思いを込めて叩いて送り出していた。
今、それをジミンさんからやってもらっている。
「ジミンさん」「また明日」ジミンさんはいつもの優しい笑顔でそう言ってすぐにキッチンから出ていった。
=
勝手に休日返上したら、今までで一番濃い一日を過ごした気がする。
また明日から頑張ろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2183人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ノア(プロフ) - ぺこさん» ぺこさんのコメント、毎回嬉しい気持ちで読んでおります。ありがとうございます。このお話、長くなりそうな予感がしているのですがよかったらこの先もお付き合いください。これから本格的な夏の到来。夏風邪などには十分ご注意くださいませ。 (2021年7月14日 18時) (
レス) id: 26719d3641 (このIDを非表示/違反報告)
ぺこ(プロフ) - ノアさん、まずは2までお疲れ様でした。いつも素敵な、丁寧な文体で、主人公と7人の距離感も絶妙で大好きな作品です。これからどうなっていくのか、続きもとってもとっても楽しみにしております。暑い日が続きますのでどうぞご自愛下さい。これからも応援しています。 (2021年7月13日 17時) (レス) id: 8374e9dde6 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - xalive1213さん» xalive1213さん、コメントありがとうございました。テヒョンさんの動向、気になってくださってますか？妄想世界ですから贅沢に、彼らとの時間を楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2021年7月2日 17時) (レス) id: 26719d3641 (このIDを非表示/違反報告)
xalive1213(プロフ) - これからのテヒョンの動向が何となく気になります。楽しみに更新待ってます！！ (2021年7月2日 0時) (レス) id: 91f858cfc2 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - ちろりんさん» ちろりんさん、ニヤニヤコメントいただきました。ありがとうございます！是非また足をお運びくださいませ。 (2021年7月1日 19時) (レス) id: ef442b1e8a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ノア | 作成日時：2021年5月6日 17時
