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何も分からぬまま、連れてこられた
"水槽"という空間。
狭いけれどそこは海で満たされていた。
満たされてはいたけど、何もなかった。
俺以外の他にもあと2人、人魚がいた。
多分、俺みたいに海面に上がってきたところを
捕まえられたのだと思う。
水槽の外には無機質な空間が広がり、
そこに立つ何人かの人間がそんな俺たちを見ていた。
それから何が何だか分からないまま、
色々なことを教え込まれた、
笑顔、
文字、
敬語、
ヘアセット、
踊り、
歌、
それから媚び方、
毎晩毎晩、たくさんお金を払っていく
"オキャクサマ"とやらに、
踊ってみせたり、歌ったり、お話したり、
「エンターテイメントは素晴らしい。」
ここのオーナーだというおっさんが
胡散臭い笑顔で耳にタコができるほど
その胡散臭い言葉を繰り返した。
今になってやっと、物珍しい人魚をダシにした
胸糞悪い商売だったと分かる。
でも当時は何も知らなかったし、
知る術がなかった。
外界は完全にシャットアウトされていた。
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Emi(プロフ) - 凄く面白くて一気読みしてしまいました✨ もう続きは出しませんか？ (2022年7月14日 18時) (
レス) @page25 id: 8313c6a07a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：meana | 作成日時：2020年5月2日 23時
