Seiren〔 iwmm 〕 (ページ18)

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iw「あー、その、帰るとことか、あるの？」

あまりにも現実離れした展開に
上手く言葉を紡げない。

mm「…ない。」

ない、というか帰りたくないという感じ。

iw「うーん、…ひとまず、お風呂行こうか。」

ここで問いつめても埒が明かないだろうし、
どっちにしろ今日は泊めるしかなさそうだ。

もう一度抱き上げて、風呂場まで運ぶ。

さっきは必死で気が付かなかったけど、
成人に相当する体格なだけあって、
ずしりとした重みに現実味が、また増した。

iw「狭くてごめんね。」

湯船の中へ下ろそうと腕の力を緩めると、
それに反して首に回した彼の腕に力が籠って、

耳元で小さく怖い、と呟いた。

iw「大丈夫、大丈夫。」

そう言って、彼の頬にキスを落とす。

小さい頃、泣いていたり不安そうにしていると
元気が出る魔法だと言って母が
よくそうしてくれていた。

心なしか腕の力が抜けて、ゆっくりと身体が離れると
彼は拍子抜けした顔でこちらを見上げていた。

iw「あ、えっと、元気が出る魔法…デス。」

そう言うと彼はくすぐったそうに笑った。

mm「元気、出ました。」

初々しい表情をする彼にどことなく
後ろめたさを掻き立てられた。

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