保健室に鍵をかけて＊＊

03*/突然 ページ4

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Aはいつも突然だ


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最初もそうだった


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過呼吸で運ばれてきたA


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生意気そうな顔してんのに

「 迷惑かけてごめん 」

なんて何回も謝る


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そして突然いなくなる


ふと目を離すともう姿はない


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俺に何度も「 好き 」というA


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「 好き 」と言ってくる生徒はたくさんいる


だけどその生徒たちは泣いて俺の前から消える


そして保健室には近寄らない


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Aは何度もいう


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しかも幸せそうに、


今日で何度目だ？


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でもAは可愛い生徒

それ以上でもそれ以下でもなく、


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それでもAは幸せそうだ


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保健室に響くコール


数回のコールで電話に出た


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電話の相手は事務の人

来客が来ているとのことだ


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電話を切った俺はAを見た...


が、もう姿はない


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傍らの机には飲みかけの珈琲


ベッドはまだ温もりを帯びている


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「...A」


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自然と口から紡いででる


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何を思っている？


なんで俺に「 好き 」と言う？


何を抱えている？


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お前にとって俺はなに？


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考えても考えても浮かんでくるのは

俺に「 好き 」というときの


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あの幸せそうに微笑む顔


時折魅せる儚い表情


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俺は頭を思いっ切り振って保健室をでた


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