恋情クロニクル (ページ27)

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7月の日差しが強く、茹だるような暑さの日

午前中の種目も無事に終わった。
高校の人数ともなると、種目に出ない人も多くて
実は私もその1人。

することもなく友達と話したりなんかりして
無難に青春を過ごしていた。
そしてお昼休憩。校舎に戻ってご飯の時間だ。

「Aちゃんは、大倉くんだよね？」

少しぼーっとしていたら訳の分からない会話。

「え、なんの話？」

「だーから、フォークダンスのペア！
もう、大倉くんと約束してるやんなぁ？」

「そーなん？A、ええなぁー！
ウチ、割と大倉くんのこと狙ってたんに！」

午後最初のプログラムは、フォークダンスで、
軍も学年も性別も関係なく好きな人とダンスをする。

気になる異性と踊るのが伝統らしい。
なんでも踊った2人はうまくいくとかなんとか。

「あー忘れてた…。
たつとも特に約束してないし、どうしよう」

「はぁー？ほんまに言うとる？
幼馴染ならペアになるの決定事項ちゃうん？」

この友達は私とたつを付き合わせようとしてくる。

嫌な気持ちはしないけど、少し対応に困る。

なんとなくで話をかわしていると

「逢坂Aさん、おる？」

突然の訪問者。

ドアから覗く銀髪が眩しくて
刹那の間、見惚れてしまっていた。

正にきょろきょろという擬音が似合うように
教室中を見渡した彼と目線がぶつかる。

「あ、みぃーつけた！ちょっとお話しよー？」

他クラスに迷いなく入って来てしかも馴染んでいる

あの人と交流あったんだ、コミュ力高いな
なんて他人事のように思ってみる。