01 無愛想な彼 ページ1
.
はじめの第一印象は ｢怖い人｣だった。
高校生になった私がすぐに始めたアルバイト先の常連で、よく彼を目にしていた。
古ぼけたライブハウスに不釣り合いな格好をして、店長と仲睦まじく話していた。
金髪がやけに輝いていて、大きなピアスホールに鋭い目付き、笑った時に出来る目の横のシワ、手の甲に彫られた痛々しいドクロのタトゥー。
きっとこの人は 音楽で生きてる人なんだ って、
直感が反応したのを今でも鮮明に覚えてる。
それと同時に 人見知りもするんだろうなって。
店長｢新入りのAちゃんいう子。仲良くしたってやすばる。｣
渋谷｢...ああ、ども。｣
『こ、こんにちは...。』
一瞬だけ、ほんの、一瞬だけ。
目を合わせてすぐにフィって逸らされた。
ほら、きっと彼は人見知り。でもどうしてだろう？
一瞬だけ重なった視線が、彼の大きくて真っ直ぐな目が、気になって仕方なかった。
店長｢こいつ、愛想ないのんで有名やから気にせんといてや。｣
『あ、分かりました。』
正直、苦手なタイプだった。
私とは合わないな、と。思ってしまった。
のに、
渋谷｢...誰も、何も、愛も、この声も〜...｣
消え入りそうな声が、吐息混じりの歌声が、
渋谷｢塗り潰された...｣
さっきとは似ても似つかない力強い眼差しが、一瞬にして私の心を惹き付けて離さない。
ギターを愛おしそうに奏でるその姿も、祈るようにして空を仰ぐ小さな手も、
時折 目を強く閉じて歌に身を任せる仕草も、何もかもが新鮮で、誇らしくて、かっこよかった。
やっぱり彼は 歌に生きる人なんだと実感したり。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 207人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すんな。(プロフ) - てんてんさん» この度はコメントありがとうございました！これからも気軽にコメントしてくださいね！！更新の方も頑張ります！ (2017年9月1日 17時) (
レス) id: b05142c8f8 (このIDを非表示/違反報告)
すんな。(プロフ) - りりあさん» ありがとうございます！これからも楽しんで読んでもらえる作品を頑張って作っていきます！嬉しいです！ (2017年9月1日 17時) (レス) id: b05142c8f8 (このIDを非表示/違反報告)
てんてん(プロフ) - 前々から読んでました、、更新まってます (2017年8月30日 17時) (レス) id: 6ff5cdbae5 (このIDを非表示/違反報告)
りりあ - 楽しんで読ませていただいております！続きめっちゃ、気になります！頑張ってください！ (2017年8月29日 21時) (レス) id: d0ec948b8a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すんな。
| 作成日時：2017年8月16日 21時
