３話 ページ47
撮影初日からは一生懸命みなさんについていけるように頑張った
監督もスタッフさんも『いいよ』と言ってくれるけど本当かどうかは分からない…
安藤「春川さん」
「はい」
安藤「演技初めてって言ったっけ？」
「はい…」
安藤「本当にひどいよね」
「…」
安藤「よくそのレベルでこの仕事引き受けたと思うよ」
そう笑って言われた…
「…」
安藤「この映画良いものにしたいの、足だけは引っ張らないで」
それだけ言うと安藤さんは撮影に戻っていった…
私だって…頑張って…
悔しくて唇を噛んで手を握りしめた
『春川さん』と呼ばれてハッとして振り向くと横山くんが立っていた…
「横山…さん…」
今の聞かれて…
横山「今日、撮影の後時間ある？」
「ぇ…」
それから撮影が終わり控え室に戻った
「あの…」
横山くんに話しかけると台本を手に取った
横山「読み合わせ手伝ってくれへん？」
「ぇ…」
読み合わせって…
「安藤さんとやった方が…」
明らかに安藤さんとのシーンが多いから…
横山「春川さんとのシーンの読み合わせやから春川さんの方がええやろ？」
そう言われたら『はい…』と言うしかなくて…
でも明らかにただの読み合わせじゃなくて…
私のためにアドバイスとかもしてくれて…
それから毎回撮影の後に読み合わせをしてくれる
毎回、終わってから
『ありがとうございます』
と言うと
『俺が付き合ってもらってるんやからこっちがありがとうやわ』
と毎回言ってくれた
それからスタッフさん達から『良くなったよ』って言ってもらえるようになった
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作者名：明希
| 作成日時：2017年9月20日 17時
