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56話 side-ru ページ6
あのあと、康二くんたちと別れて１人電車に乗ってる。
…好きな人、か。
ふと病院で康二くんに言われたことを思い出した。
『皆のことが大好き』。
これは半分正解で半分違う。
…僕は皆が言う『普通』じゃない。
がたんごとん、という電車の音を聞きながら考える。
『普通』ってなんなんだろうね？
皆が当たり前に口にする『普通』。
勉強は普通、とか普通に考えて、とか使い方によって意味が変わってくるよね。
…多分皆、普通って何？って聞かれたら「あたりまえのもの」「ありふれたもの」って答えると思う。
でも『普通』の定義って1人1人違うよね？
その人の『普通』は他の人の『普通』じゃないかもしれない。
自分の『普通』の定義を他の人に押し付けるのはよくないことだよね。
うーん、まあ簡潔に言うと、
僕の『普通』の定義を理解してくれる人は少ないんじゃないかなってこと。
…最寄り駅につくまで僕の昔話、聞いてくれる？
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作者名：貞光 | 作成日時：2020年4月22日 10時
