「好きだよ」 (ページ22)

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69話　ページ22

電車に揺られて30分強、徒歩で15分。
sk「みんな着いたよー！ここが佐久間さんのお家でーす！」
佐久間くんのお家についた。
ru「え！？佐久間くんのお家おっきいね！」
sk「おじいちゃんとおばあちゃんと一緒に住んでるからユニバーサルデザインを取り入れてるんだよ！
さ、早く入って入って！」
佐久間くんはそう言うと鍵を開けた。

私とあべちゃんは何回か来たことあるけどラウールとめめ、特にラウールは家の内装にすごく感動していた。
ru「すごーい！全然段差ないし、動線もしっかり確保されてる！この家の構造考えた人すごいね！あ！手すりもちゃんとついてる！」
sk「にゃは！そう褒められるとお父さんも喜ぶと思う！」
ru「佐久間くんのお父さん建築士なの？」
sk「そうだよ！
さ、ついたついた！ここが佐久間さんのお部屋だよ！飲み物とか持ってくるから適当なとこ座ってて！」

佐久間くんに案内されて、オレンジのクッションが置いてあるところに座る。
隣の黒のクッションにめめが座ってきた。
よし、めめの隣ゲット。
佐久間くんの部屋はやっぱり佐久間くんらしい。
たくさんのアニメのポスターやタペストリーが壁一面に飾られているし、勉強机には描きかけのイラストや画材があるし、アクリルスタンドが並んでいる。
初めて家に来た時はびっくりしたけど、これが佐久間くんの普通だ。私がとやかく言うことじゃない。
ab「佐久間が来るまでに準備しちゃおっか」
あべちゃんはそう言うと、勝手知ったる様子で、床に伏せてあった折り畳み式の机を組み立て始めた。

sk「おまたせー！」
あべちゃんが机を組み立て終わって私たちが勉強道具を机に出し始めたと同時に、麦茶が入ったコップとスポドリが入ったコップがのったお盆を持った佐久間くんが入ってきた。
sk「お？あべちゃん、机組み立ててくれたの？ありがとー！！
さ、みんなお茶だよー！」
佐久間くんはそう言うと私たちの前にお茶を置き始めた。
ru「あれ？なんで佐久間くんだけスポドリなの？」
ラウールが佐久間くんにそう聞いた。
sk「…佐久間は、お茶系が苦手なんだぞっ」
ab「ちなみに佐久間は水もあんまり好きじゃないから、基本的にずっとスポドリ飲んでるよ」
ru「あ、確かに佐久間くんがお茶飲んでるとこ見たことないかも」
ab「じゃ、そろそろ始めるよー」