「好きだよ」 (ページ17)

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番外編『ふっかさんのお誕生日』　side-fk ページ17

※本編と時系列ずれてる
※mmと他のみんなが仲良くなってる
※ちなみに本編はまだ4月

5月5日、こどもの日。と同時に俺の誕生日。
ゴールデンウィーク真っ只中に生まれた俺は、祝われるのはだいたい明けの学校が始まったときで。
去年の今頃はまだみんなと仲良くなってなかったし、目黒のことなんて1ミリも知らなかった。
「やっぱ、当日にみんなと会ってお祝いしてもらいたいなあ…」
遊びに出掛けた妹とじいちゃん、ばあちゃんがいない一人ぼっちの家でそう呟いた。

今日の0時ちょうどにみんなからグループトークにお祝いメッセージが届いた。
すごく嬉しかったけど、直接面と向かってお祝いしてもらいたい、なんて思ったり。
まあ、祝ってくれるだけで十分嬉しいけどね。

静かな家で1人、大音量で島を開拓していたらスマホが鳴った。照からだ。
「もしもーし」
iw「もしもしふっか。今何してる、って島開拓か」
「え、なんでわかったの？」
iw「電話の向こうから、大音量でBGMが聞こえてる」
「お、そうなんだ。うんあたりー。で、何の用？わざわざ電話かけてくるなんて珍しいじゃん」
iw「あー…今から出れる？」
「え？なんで？」
iw「ちょっと連れていきたいところがあって」
「…嫌、って言ったら？」
iw「ふっかん家のインターホン鳴らしまくる」
その言葉が聞こえたと同時に家のインターホンが鳴った。
同時に、電話の向こうからもインターホンの音が聞こえた。
「…もしかして、家の前にいる？」
iw「うん」
俺はゲームのセーブをして、本体の電源を切った。
「急いで準備するわ。家、あがってて」
歩きながらそう言うと俺は玄関のドアを開けた。
外扉の向こうに、俺の大好きな彼氏が笑顔で立っていた。

照を家にいれてお茶を出す。
お茶なんていらない、照はそう言ったけど一応お客様だし出さないわけにはいかない。
親しき仲にも礼儀ありっておばあちゃんが言ってたし。…使い方あってるよね？

自分の部屋でスウェットを脱いで、クローゼットの中から何着か服を引っ張り出す。
この前新しく買った服、着ようかな。
照はなんでもすぐに気付く。体調が悪いとき誰よりも先に気づいてくれるんだよね。
…俺たち付き合ってもうすぐ1年になるんだよ。
時の流れって早いよね。

リビングに戻ると照はお茶を飲んでいた。
俺が来たことに気づくと、服をじっと見つめて
iw「新しく買った服？いいね、似合ってる」
にっこり笑顔でそう言った。

「でどこに行くの？」
「うーん…お散歩？」