6話 ページ6
6時間目終了のチャイムが鳴ると同時に滝沢先生が入ってきた。
月曜日の予定を私たちに伝えたあと解散になり急いで帰りの支度をして後ろを振り返ると目黒さんはもう教室にいなかった。
大体予想はついてたけど…。
スマホの電源をつけてグループトーク画面を開くと、
ruこちらラウール!目黒さんはまだ昇降口に来てないよ
iw岩本。裏門に目黒さんらしき人はいない
fk照に同じー
nbこちらゆり組。特別教科棟にそれらしき人は見当たらない
skさくまー!屋上から見る限り校庭に目黒さんはいないよ!
abあべ。職員室には今のところ来てない
あのあと、あべちゃんがグループトークで皆に目黒さん探しを手伝ってくれるよう頼んだんだ。全員、協力してくれたよ。
それぞれ担当場所を決めて目黒さんを見つけ次第私に電話するようになってる。
私も校舎内を歩き回って目黒さんと同時に皆の連絡を待ってるんだ。
女子トイレや図書室に入ってみたけど目黒さんの姿は見当たらなかった。
図書室から出るとあべちゃんから電話がかかってきた。
ab「康二！目黒さんが職員室に来た！急いで！」
「わかった！ありがとうあべちゃん！」
職員室の前につくとあべちゃんが立っていた。
ab「目黒さんはあそこにいるよ」
あべちゃんが指差した方を見ると滝沢先生と話している目黒さんの姿が。
ab「皆に目黒さん見つかったって送っとくね」
「ありがとう」
ab「私は離れたところで待ってるから、頑張って声かけるんだよ？」
「うん」
ab「大丈夫。康二ならできるよ」
あべちゃんはそう言うと、職員室の近くにある階段の方へ行った。
滝沢先生との話が終わって床に置いていたリュックを背負った目黒さん。
先生にお辞儀をするとこっちに向かって歩いてきた。
チャンスは今しかない…！
「目黒さん！！」
目黒さんは私の声に反応してこっちを見た。
顔は見えないけど目線はこっちを向いてる。
「あ、あのっ。これ授業のノート！か、返すのはいつでもいいから！」
緊張で声が震えてしまったし、少しどもってしまったけど、言いたいことは言えた。
…受け取ってくれるかな。
mm「………ありがとう」
目の前からその言葉が聞こえてきて、目黒さんの声だと理解するのに数秒かかってしまった。
目黒さんはそう言うと私が差し出したノートを受け取ってリュックにしまったその時、
前髪の間から目黒さんの顔が見えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 163人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
貞光(プロフ) - あおいさん» mmは右派の方はあまりいらっしゃらないので、私も嬉しいです！ (2020年4月13日 14時) (
レス) id: e8d1c52f35 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - mmは私右派なんで嬉しいです（） (2020年4月13日 9時) (レス) id: 888c904e00 (このIDを非表示/違反報告)
貞光(プロフ) - ま み た そさん» コメントありがとうございます。これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2020年3月30日 20時) (レス) id: e8d1c52f35 (このIDを非表示/違反報告)
ま み た そ(プロフ) - 初めまして、こんばんは。mmちゃんにょたのお話は見るのが初めてなのですがとても続きが気になりました。これからも頑張ってください。応援しています。 (2020年3月30日 19時) (レス) id: e6986a63c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：貞光 | 作成日時：2020年3月28日 14時
