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「コロシてやルァあぁああアアア!!」
「大人ならば責任を負いなさい」
勢いよく向かってくる呪霊と化している男に七海は容赦なく鉈を振りかざした。
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ーー同時刻
『どうして七海が適任なんですか?』
「七海の術式は対象を線分した時、7:3の比率の点に強制的に弱点を作り出す術式だろう?それは生物と非生物…つまり、呪具や呪骸などにも有効なんだ」
「対象は体全体だけじゃなくて腕や脚とか、一部の部位への細かい指定もできるんだ!あの人は半分人間で半分人形化してた。だから、綺麗に切り離して祓う事が出来る七海が適任だったんだよ!」
『そう言う事だったんだ…。よかった、あの時一緒に残らなくて。逆に七海の邪魔しちゃう所だった』
何かを感じたのだろう。五条が扉へと手を伸ばした。
「おつかれ、七海」
「どうやら終わったみたいだね。私達も入ろう」
再び現場の確認をすべく部屋へと入った。
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「おつかれ、七海」
「貴方がやってくれた方が楽だったんですけどね」
「人体と人形。お前が綺麗に切り離したおかげで、アイツは人間として死ねた。お前の術式の方が向いてたろ?」
「良いように言ってるだけでは?」
「あとは他に任せるか。さすがに死体の処理は手に余る」
「五条さんは今回何もしていませんよね」
そこへ再び残りの面子もやってきた。
「おつかれ」
「お疲れ七海!!」
『大丈夫だった?』
「お疲れ様です。まぁなんとか」
「高専に連絡入れたから、そのうち地元の窓やら補助監督やらが来て事後処理してくれるだろ。あー、腹減った!!なんか食い行こうぜ!」
「良いですねぇ!行きましょう!!」
3人を残して、灰原と五条は仲良く肩を組みながら部屋を後にした。
「ほんと何しに来たんですか…」
『あははは…』
「医者の不養生…みたいだね」
「人形師のことですか?」
「呪術師全体の事さ。呪いへの対処ってのは、気の晴れない仕事も多くなる。慣れはしても気持ち良くはならないよね」
『先輩も今回みたいな任務にあたった事ってありますか?』
「あるよ。呪いを生むのが人である以上、君たちもいつかは、クソみたいな人間の悪意と向き合う時がくる。それで心を壊してしまう前に、何かあれば私達先輩の所にいつでも相談しにおいで」
夏油の手が春野と七海の頭にそっと乗せられた。その後3人も2人を追うように現場を後にした。
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マニ。(プロフ) - 春うららさん» ✉️。こんにちは、とても面白いです!もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?お返事お待ちしています。 (1月5日 19時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
春うらら(プロフ) - まる??さん» まっったく気付きませんでした…。ご指摘ありがとうございます!助かりました🙇🏻♀️💦 (1月4日 2時) (レス) id: 1cdd555c6d (このIDを非表示/違反報告)
まる??(プロフ) - オリ/フラ立ってますよ。違反になってしまうので、気を付けて下さいね💦 (1月3日 16時) (レス) id: d16c4af477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春うらら | 作成日時:2023年12月20日 0時