No.85 ページ11
私はゲート前の階段の近くにいる。
皆あの後何処に行ったんだろう………
村「A！」
あ、鋼先輩の声だ！
遠くの方で鋼先輩が私を呼ぶ声が聞こえた。
先輩私を見た途端、走り出しちゃった。
何か急ぎの連絡があるのかな？
『鋼先輩？お疲れさ―――』
ぎゅっ
！？
鋼先輩が私をだっ、抱きしめている………？！／／／
どういうこと！？
村「無事で、良かった………！」
悲しい気持ち、悔しい気持ち、安堵の気持ちが
先輩から伝わってくる。
私は自分の腕を先輩の背中に回し、優しくさすった。
さっき、先輩が私にしてくれたように。
じ、自分でやるの恥ずかしい………！！／／／
荒「ついにやったな、鋼。」
当「キャー、村上くんたら、ダ・イ・タ・ン♡」
穂「祭りか？祭りだな、今日は。」
村「え？………っ！ごっ、ごご、ごめんっっ！！／／／」
ものすごい勢いで離れた鋼先輩。………なんで？
わからず、私は首をかしげる。
小「鋼さんだけズルいわ！私も！！」
『勿論いいよ！』
ぎゅっ
………夢じゃないよね？
きりちゃんにちゃんと触れられてる………よね？
小「ちょっ、どうしたの急に！？なんで泣いてるのよ！」
え………？
泣いてる？私が………？
自分の頬を触ると、確かに濡れていた。
烏「あ、小南先輩が泣かしたー」
空「こなみせんぱーい、姉ちゃんを泣かせるなー」
小「泣かせてないわよ！
………えっ、もしかして私のせい？」
服の袖でゴシゴシと濡れた目を擦る。
擦る時の痛みが、今が現実だと言っている気がする。
………信じたい。この幸せが現実であることを。
『違うよ！寧ろ嬉しいしから！』
小「ホント？良かった！」
空「次俺もー」
『はいはい、順番ね。』ｸﾞｽｯ
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作者名：紺平糖 | 作成日時：2022年8月1日 7時
