私はお母さんじゃない！ (ページ9)

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放課後ページ9

貴「さて、今日のご飯はどーしようかなぁ…」

えっと…今日はすばにぃがバイトで、信にぃと侯にぃはとくになんにも聞いてないからいつも通りやとして…
隆平は部活あるとか言うてたなー…てことは、ご飯は後やんな…

貴「あ、鶏肉安いやん…」

よし、今日は唐揚げにしよう！ほんでこの間おじいちゃん達が送ってくれた野菜でスープとサラダ作れば充分やろ。

メニューが決まると後はさっさと必要な材料や足りないものを次々にかごに入れていく。

貴「あ、たしか電球も切れかかっててんなー…一応買ってこ」

それから今週の土日のチビちゃんズのおやつも買ってと…
あ、たぁーくんの夜のおむつもないんやった！

たぁーくん、昼は自分でできるようになったんやけど夜はまだたまに失敗すんねん。
さすがに時間のない朝にそれはしんどいから寝るときだけはおむつ履かせてんねん。

貴「あと必要な物はー…と」

スーパーの中をブラブラしながら家に足りないものを買い足していく。

「あらー横山さんところのAちゃんやないのー！買い物？」

貴「あ、おばちゃん！どーも。そうやねん！」

この人はうちの近所に住んでるおばちゃん。まぁ、いかにも関西のおばちゃん！って感じの人でようお世話になってる。

「あんた毎日買い物してほんまえらいなーうちの娘にも見習ってほしいわ笑」

貴「そんなことないでーうちはやる人おらんから仕方なくやし」

「高校生は毎日遊びたい年頃やのにAちゃんは毎日家のことばっかりで遊べんと可哀想やなぁ…」

ちなみにちょっと考えないで発言するところがあるからにいちゃん達は苦手らしい。

貴「うちは男兄弟みたいなもんやからね笑それに私も好きでやってるからそーでもないで？」

「ほんまできた子やなぁ！なんかあったらいつでもおばちゃんに言いや！」

貴「うん！ありがとう！」

私はあんまりそーいうん気にせーへんから全然平気やねんけど。
それになにかとおすそ分けを持ってきてくれるから関係は大切にせなあかんしね。

にしても、私って可哀想なんかなぁ…
確かに普通の高校生とは違って放課後にバイトとか遊びに行ったりはできひんけど…

でも私は死んだおかんとの『約束』があるからな！
遊べへんのもそんな苦じゃない！家のことやって楽しいし！私おらんとできる人おらんしな！

さっきのおばちゃんの「可哀想」が胸に刺さったんは気のせい…よな？