ロボ彼女『赤』 (ページ5)

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あいつが帰っていったおかげでとても静かになった家。

ソファに座らされたこの女性、

見る限りほんとに人……人間……

けど、寝息が聞こえないことと、呼吸によって上下するはずの胸が微動だにしていない事が、

人ではないことを物語っている。

てか、どうやって起こすねん。

顔の前で手を振ってみても一切動かない。

「説明書とか無いんかな……」

もう一度女性が入っていたダンボールを覗く

あった。

茶色い大きなパンパンな封筒が出てきた。

中を覗くと、図鑑？みたいな大きさの本が出てきて、

表紙も裏も何も書かれていない真っ白な本だった。

本を開くと、初めのページに

『AIリアル彼女をご購入していただき誠にありがとうございます！』

という見出しで説明文が書かれていた。

創業……ｳﾝﾀﾗｶﾝﾀﾗ……

多分、ここは必要ないやろ。

えと、起動方法……

目次らしきページを見つけ、

4ページ目を開く。

起動方法

両耳たぶを2回同時に押す

……？

いや、こんだけ！？

少な！

ほんまにこんなんで動くんかどうか不安になりつつも、

物は試しということで、

あの女性のところに向かって、耳たぶに手を伸ばす。

女性の耳たぶなんて、生まれて初めて触るんちゃん。

そう思うとめちゃめちゃ緊張してきた。