◎148 ページ48
.
お節を詰め終わり、隣は眠っているだろうか、と思ってキーに連絡をしてみた。
すぐに起きてるよ、と返ってきた言葉に今から行くと伝えて重を包んんでおく。
「ちょっと隣行ってくる。」
「ん…行ってらっしゃい。一人で大丈夫？」
「大丈夫だよ。意外と力あるし、私。」
それは知ってるけど、と心配そうに眉を下げるりく。
よしよし、と頭を撫でてあげると眉は下がっているけれど行ってらっしゃい、と送り出してくれた。
隣のインターフォンを鳴らすと明るくキーが出迎えてくれて。
「‘’おはよう。”」
「‘’おはよう、ちゃんと寝た？”」
「‘’ん、寝たよ。Aは？”」
「‘’びっくりするほどよく寝た。”」
それなら良かったと優しく笑うキー。
部屋に通されてなにか飲むかと聞かれたが長居する気もないから断った。
「‘’他のみんなは？”」
「‘’ボクだけじゃ不満？”」
「‘’そんな事言ってないでしょ。”」
「‘’みんな休みだから寝てる。ジョンヒョニヒョンは起きてると思うけど作業してるから気づいてないかもね。”」
「‘’新年の挨拶はもうしたからいいんだけど…これ、口に合うか分かんないけど日本の正月料理。簡易の。”」
「‘’え！いいの？”」
「‘’もちろん。お世話になったから、と、今年もよろしくね。”」
チラリと中を見て顔を綻ばせるキーが可愛くて。
「‘’お餅はある？”」
「‘’雰囲気で買ったけど誰も作らないし残ってると思う。”」
「‘’じゃあ出汁だけ作っとくから、食べる時に温めてお餅入れて食べてね。”」
一回で食べ切れる分だけ出汁を作っていると、くるくるついて回るキー。
「‘’なに？”」
「‘’ううん。なんか、嬉しくて。”」
「‘’嬉しい？”」
「‘’年末も、年越しも一緒だったのに、お正月料理まで作ってくれるのが。”」
「‘’そう言って貰えて良かった。味見てくれる？”」
「‘’うん、美味しい。”」
火を止めた。
後ろで味見をしていたキーの方へ向き、ぎゅっと腰あたりをゆるく抱きしめる。
「‘’え、なに、どうしたの？”」
「‘’うーん、キボマぁ、”」
「‘’起きてお酒飲んだ？”」
「‘’飲んでない！失礼。キボマ、私はキボムに会えてとても幸せ。だから、キボムにも幸せでいて欲しい。少しでもキボムに幸せを返したい。”」
ぎゅっと抱きしめ返してくれて、
「‘’ありがとう。もうたくさん貰ってる気がするけど。”」
コツンと高いところからおでこが降ってきた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヨシハラ。(プロフ) - ゆいさん» こちらこそ本当にありがとうございます。頭と最後だけ先に出来てしまったのでこれから中腹は恋愛のお話が続くかと思いますし、本当に自己満足の産物なのでこれに触れるのはどうかとも思ったのですが…温かいお言葉を頂き…嬉しいです。ありがとうございます。 (2019年8月4日 0時) (
レス) id: 386df9962a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 初めまして、本当になにを言えばいいのかわからないですけど、この小説を書いてくださってありがとうございます。本当に本当にありがとうございます。これからも更新頑張ってください、応援してます。 (2019年8月3日 23時) (レス) id: 624d11c40c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヨシハラ。 | 作成日時：2019年7月29日 12時
