◎139 ページ39
.
経緯を話してこれの為だと説明したら、私の事なんて放ったらかして紙面に夢中。
いや、そこにいる人ここにいるけど！と何度揺さぶってもはいはいと撫でられるだけで。
「はぁ、めっちゃ綺麗だった……でもこんなのして！僕のおねいちゃんなのに知らない人に見られる……」
「おねいちゃんはりっくんのおねいちゃんだから！そこに居るのはなんか似てる人だし！大丈夫！」
「言ってる事違うじゃん。で、この中の誰がつけたの？」
「え？えー、と」
全然騙されてくれていない。
「これと、これ、と、これ……」
尻すぼみに指さして言うと、可愛い顔が、もっと可愛いくなって……こんな時はいい事ひとつも考えてないんだよな……。
「行こっか。」
「え、どこに？」
「メンバーさんのとこ。隣だよね。」
「は、はい……ほんとに？またにしない？」
行くよ、と立ち上がって手を差し出されれば反射的に取ってしまい、引きずるように玄関へ。
ずんずんと効果音が付きそうな勢いで隣にたどり着くと、真っ直ぐインターフォンを鳴らす。
誰かも確認せず出てきたのはテミンで。
りくは物怖じもせずにっこりと微笑んだ。可愛い。
「こんにちは。Aの弟です。」
「こ、こんにちは！キーさんから聞きました。おっきーいですね！」
普段から懸命に勉強してくれるテミンだ。
このくらいの会話は苦もなく交わしてくれる。
どうぞ、と遠されて、挨拶しながら中に入るとソファでくつろぐ面々が固まる。
日本語で挨拶をすると日本語で返ってくるのがなんとも面白く不思議な光景だけれど教えてきた身としてはとても感慨深い。
時間にすれば短いけれど、男の子というのはなんとも不思議なもので。
すっかり打ち解けた六人は私なんて蚊帳の外。
まぁ、別にいいですけど。
酒だ！酒を飲もう！と騒ぎ出すのを聞いて、呆れながらもつまめるものを作ろうと台所へ移動した。
「手伝う？」
「ううん、大丈夫。みんなりくの事可愛がりたいんだよ。特に、テミン。だからあっちで遊んでもらっておいで。」
「何かあったら呼んでね。」
「あ、代わりにキーさん、わかるでしょ？こっち手伝ってって伝えて。」
「はーい、わかった。」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヨシハラ。(プロフ) - ゆいさん» こちらこそ本当にありがとうございます。頭と最後だけ先に出来てしまったのでこれから中腹は恋愛のお話が続くかと思いますし、本当に自己満足の産物なのでこれに触れるのはどうかとも思ったのですが…温かいお言葉を頂き…嬉しいです。ありがとうございます。 (2019年8月4日 0時) (
レス) id: 386df9962a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 初めまして、本当になにを言えばいいのかわからないですけど、この小説を書いてくださってありがとうございます。本当に本当にありがとうございます。これからも更新頑張ってください、応援してます。 (2019年8月3日 23時) (レス) id: 624d11c40c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヨシハラ。 | 作成日時：2019年7月29日 12時
