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「Aちゃんが不審者に拐われへんか心配やわ〜」
「大丈夫だって」
深夜終わりのバイトなので、いつもは駅からアパートまで送ってくれている紳士な智野くんだが、今日はこの後も3時からバイトがあるらしい
駅から十分もかからない距離だし、タクシーを使うのも勿体無いので歩いて帰る間は電話をして安否確認を取ることになった
心配性だなぁ、嬉しいけど
「そんでな、その時先輩が〜」
落ち着いたペースで話す彼に相槌をうつ
彼は私を好いていると割とどこでも公言している
伝えられてないけど、私も彼のことは好き
もちろんライクで
慕ってくれて、ついて回ってくれて、元気をくれる
いつも貰ってばかりだから、お礼してあげたいなぁ
「ね〜、聞いてる？」
「聞いてる聞いてる」
「よかった」
高い声でふふ、と笑う彼
笑っている時の彼はいつもより少し穏やかで、尚更好き
「まぁ酷いのよ、それが〜」
突如、右前の電信柱が目についた
理由は本能的なもの、無意識に警戒心が視線をそこに誘導させた
「っ、」
「Aちゃん？」
人が柱の影から出てくる
その顔は光に照らされて、普通の人間ではありえないような影の落ち方をしていた
顔の部分が真っ黒
「あ、な、んでも」
目を合わせたらダメだ、
そう思いながら道の端を歩き横を通り過ぎた
あちらからの視線を痛いくらいに感じる
もしかしたらもう、アレが影から出てきた段階でダメだったのかもしれない
視界に入らなくなったことで恐怖心が増幅してくる
緊張で指先が冷たくなっていく
多分、だめなやつだ、コレ
一気に家に向かってかけだした
人型のタールはワザワザ家に入らない
私の後に襲われるのはまだ道を歩いている可能性が高い智野くん
取り敢えず彼から離れて距離を稼がなきゃ
『避難活動に徹するのが大前提や』
頭の中で桃瀬くんの声が響く
もちろん、
もうあの時の私じゃない
私も生きたい
生きるのが、楽しくなってきたのに、
「ねえなんかあった？そっち行こか？」
「ダメ！！！」
夜道で叫ぶ
「絶対に来ないで！タールが」
足元をぬるりと掬われた
なす術もなく前に倒れる
走っていた勢いがそのまま私とアスファルトを摩擦させる。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
ズザザ、と携帯だけが私の数歩分先に滑り出た
「Aちゃん！？なぁ！！聞こえとる？！」
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恐竜少女(プロフ) - 燕さん» お返事ありがとうございます！需要あります…！ずっとやったりしないのかな…と気になっていたのでお返事頂けて嬉しいです！始められたら真っ先にフォロー向かいますね！こちらこそありがとうございました！ (2020年12月15日 21時) (
レス) id: 502e5707b6 (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - 恐竜少女さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！とても喜びました！Twitterはやってません…需要あるでしょうか？みなさんがTwitterでどんなお話をしているのかは気になりますね、コメントありがとうございました！ (2020年12月15日 20時) (レス) id: 3ea3cbd8c6 (このIDを非表示/違反報告)
恐竜少女(プロフ) - 燕様の作品を全作定期的に読み返すほどどの作品も魅力的で大好きです…！失礼を承知でお聞きするのですがTwitterをされる予定などはないのでしょうか…？お気を悪くされましたら申し訳ございません…… (2020年12月15日 2時) (レス) id: 502e5707b6 (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - 名前さん» ストレートな言葉で照れました…ありがとうございます (2020年12月2日 16時) (レス) id: 2e704aa56d (このIDを非表示/違反報告)
名前(プロフ) - 好きだ… (2020年11月29日 17時) (レス) id: 822832712f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燕
| 作成日時：2020年7月26日 11時
