#33 ページ34
「Aさん」
バッと１日数回しか開かれない扉が動く、桃瀬くんだった、
数年ぶりの再会、顔には私が知っている少し幼い彼の面影が残っている
「もも」
「挨拶は後や、ちょっと面倒なことになったかもしれん…まだ腹減ってないよな？」
気迫に押されこくりと頷くと、彼はそのままインカムで何かを伝え赤い瞳と目があった
「目ェ閉じといて下さい」
________
朝も夜も分からない地下から地上に転移
久しぶりの外の景色は夕方で、色濃い橙色に染められている
「位置情報もグルさんが言うとったあたりやな」
端末を見る彼に手を引かれながら、住宅街を少し抜けて、ビル群の近くを通る
バイト先の近くだったからここの土地勘はある
「あの『霊感』っていってた人のこと？」
「あぁ、会ったことあるんやったっけ、そう。『サスペンションの発現預言』がグルさんの能力みたいなもんやねん」
「預言」
「アイツの預言で産まれるサスペンションは皆優秀でな、うちの集団はあの預言ありきでサスをスカウトしとんねん」
「今からスカウトしにいくの？」
「ま、そうなんやけど、それだけじゃ無いと言うか…あ、ショッピくん」
ビルの路地裏、夕陽を避けるかのような薄暗い空間にすらりとした男性が蹲っていた
彼は桃瀬くんを見てペコリと頭を下げる
「…お疲れ様です」
「タールは？」
「ヒト型の胃袋。この場所じゃ能力使えんし、クソ先輩に連絡つかんしでとりあえずトントンさんのチャームと一緒にターゲット食わせました」
ハァ、と苦しそうに息を吐く青年に「良く耐えたな、もうええよ」とだけ桃瀬くんが言う
「俺様子見てくるから、ショッピくんと一緒に居てくれ」
「わかった」
そしてもう一度青年をみると、
「クッソ…」
噛み締めた奥歯から小さく唸り声のような吐息を漏らしていた
その手には見慣れた注射器、私とは違い首元に刺さっている
抑制剤だ
痛みでまごついているのか、ギリギリと瞳孔がこちらを向く
輝く紫色が綺麗だった
「…なにみてんすか、変態」
そうフッと笑われ、持ち上がった口角から犬歯が覗く
彼はその間も眉間にシワを寄せ、必死に冷静を保とうとしている、アレの痛みは尋常じゃ無い
自我を保てている事に感心するが、意識を手放したほうが痛みからは逃れられるのに、とそんなことを思っていたら彼に変化が、
ズズ、という音がしそうなペースで彼の髪の毛の黒色が毛先から退色していき、下から薄い茶髪が出てきたのだ
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恐竜少女(プロフ) - 燕さん» お返事ありがとうございます！需要あります…！ずっとやったりしないのかな…と気になっていたのでお返事頂けて嬉しいです！始められたら真っ先にフォロー向かいますね！こちらこそありがとうございました！ (2020年12月15日 21時) (
レス) id: 502e5707b6 (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - 恐竜少女さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！とても喜びました！Twitterはやってません…需要あるでしょうか？みなさんがTwitterでどんなお話をしているのかは気になりますね、コメントありがとうございました！ (2020年12月15日 20時) (レス) id: 3ea3cbd8c6 (このIDを非表示/違反報告)
恐竜少女(プロフ) - 燕様の作品を全作定期的に読み返すほどどの作品も魅力的で大好きです…！失礼を承知でお聞きするのですがTwitterをされる予定などはないのでしょうか…？お気を悪くされましたら申し訳ございません…… (2020年12月15日 2時) (レス) id: 502e5707b6 (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - 名前さん» ストレートな言葉で照れました…ありがとうございます (2020年12月2日 16時) (レス) id: 2e704aa56d (このIDを非表示/違反報告)
名前(プロフ) - 好きだ… (2020年11月29日 17時) (レス) id: 822832712f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燕
| 作成日時：2020年7月26日 11時
