#23 ページ24
転がっていた男性の顔を踏んだようだ
生首のような状態のおじさんは、それでも意識があるらしくブツブツも文句を言っている
踏まれた衝撃で目から涙のように黒い液体が漏れ、それが蔦のように私の足に絡みついてきた
「いやああ！！やだ！！やだ！！！」
振り解こうと右足をバタバタと振り回す。しかしその努力も虚しくペトりとくっついた黒色の粘液はさらに上に上にと這い上がってきて、膝より上にも進行しようとしてきている。
触れられている場所の感覚が狂っているのか、熱くも冷たくも感じる
なによりも舐めるようにして這い上がってくる不快感を払拭したいが、手でそれを剥がすのはどう考えても悪手だろう
狼に足ごと食い千切って貰うしかないと顔を上げた時、銃声がした。
コンクリートの壁がそれをわんわんと反響させ、正常な判断を鈍らせる。
さらに銃声、と同時におじさんの首が吹き飛んだ
飛んだ衝撃でおじさんと私を繋いでいた黒い蔦が千切れる。残った蔦はというと私の足に絡みつく力がより一層強くなったが、進行は止まった。
「どお？いい経験できた？」
拳銃を握った先程の男性が悠々と歩いてくる
部屋中に散らばった意識のある肉塊達は、私の時とは真逆に彼を避けるように身を引いていく
その光景はグロテスクなモーセ神話を見ているようだった
「さっきあげたマナそのまんまやったから色々寄ってきて楽しかったでしょ」
呆然と立ち尽くす私の足首に革靴の先を突き立て、いつの間にか粘性を無くした黒い膜を剥がすように上に摩ると呆気なくボロボロと剥がれ落ちる
そこから見えた私の足を確認、そのまま彼が指をパチリと鳴らすと足周りのタールに青い炎がついた
「ひ、」
「人間には移らんから、落ち着いて」
少し険しい顔が一瞬にしてにこやかになり、こちらをゆっくりと見た
「これらが三流、わかった？」
「でも、人の顔が」
「ボーナスで教えてあげる。タールの割合が7割超えるともう人間には戻れへんねん。せやからここで殺される」
「大食いのキミの将来はほぼ確定でコレ。絶望した？今すぐココで殺してあげてもええよ」
泣いて、叫んで、吐いて、今までの常識から逸脱した現実を目の当たりにして、感情がゴッソリと抜け落ちた感覚がする
それを心底楽しそうに観察する目の前の男、悪魔か何かと思った
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恐竜少女(プロフ) - 燕さん» お返事ありがとうございます！需要あります…！ずっとやったりしないのかな…と気になっていたのでお返事頂けて嬉しいです！始められたら真っ先にフォロー向かいますね！こちらこそありがとうございました！ (2020年12月15日 21時) (
レス) id: 502e5707b6 (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - 恐竜少女さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！とても喜びました！Twitterはやってません…需要あるでしょうか？みなさんがTwitterでどんなお話をしているのかは気になりますね、コメントありがとうございました！ (2020年12月15日 20時) (レス) id: 3ea3cbd8c6 (このIDを非表示/違反報告)
恐竜少女(プロフ) - 燕様の作品を全作定期的に読み返すほどどの作品も魅力的で大好きです…！失礼を承知でお聞きするのですがTwitterをされる予定などはないのでしょうか…？お気を悪くされましたら申し訳ございません…… (2020年12月15日 2時) (レス) id: 502e5707b6 (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - 名前さん» ストレートな言葉で照れました…ありがとうございます (2020年12月2日 16時) (レス) id: 2e704aa56d (このIDを非表示/違反報告)
名前(プロフ) - 好きだ… (2020年11月29日 17時) (レス) id: 822832712f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燕
| 作成日時：2020年7月26日 11時
