その執事、追想《4》 ページ22
グ「ふんっ！悪魔が神に勝てると思ってんの？」
セ「どうでしょう。戦った事がないので分かりませんが・・・坊っちゃんとお嬢様が勝てと言うなら勝ちましょう」
グ「そこのガキ共と何があったのか知らないケド随分な入れ込みようじゃない、妬けちゃうワ」
グ「でも、例えアナタでもデスサイズで狩られれば本当に消滅しちゃうのよ？怖くないの？」
セ「全く。今この身体は、魂は、毛髪の一本に至るまで全て主人達のもの」
セ「契約が続く限り彼らの命令に従うのが執事の美学ですから」
セ「彼らが死ぬなと言うなら死にませんし、死ねと言われれば消えますよ」
グ「ふーーーん、美学を追究する男って好きヨ、セバスちゃん」
グ「そのすました顔をヒールで踏みつけて靴を舐めさせてやりたくなる！！」
そう言って切りかかるグレルの攻撃を避けるセバスチャン
グ「悪魔と死神、やっぱりアタシ達分かり合えないのかしら」
グ「魂を全て回収するのが死神の仕事なら、悪魔はその魂を掠め取って食べてしまう害獣！」
グ「想っても報われない・・・まるでロミオとジュリエットの悲劇だわ！」
再び鳥肌が立つセバスチャン
グ「私と貴方が主演ではシェイクスピアも嘆くでしょうね！」
グ「ああ、セバスちゃん！どうして貴方はセバスちゃんなの？」
グ「主人達からもらったその忌まわしい名を棄てて、アタシだけを見てくれたなら！」
セバスチャンとグレルは激しい攻防をしながら建物の屋根へと行く
セ「ただ一言、主人達が私を『セバスチャン』と呼んだ時から、その言葉こそ新しき洗礼にして契約」
セ「その日から私は『セバスチャン』ですよ、月に誓ってね」
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作者名：ベルナデッタ x他1人 | 作成日時：2019年5月26日 21時
