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38 ハンバーグとスイーツ ページ10

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「あっ、じゃあどうぞ!」



そう言って、少しだけ
お弁当箱から離れて
京治がとりやすいようにした。


それなのに京治は動かずに
私をじっと見つめてくるから
不思議に思って、声を発した。



「あれ…?」

「…A、移動させてくれないの?」

「えぇ!?」

「交換、でしょ?Aがここに入れてくれたら、俺もAにおかずあげたいなと思ったんだけど…ダメ?」

「や、ダメじゃないけど…」



私の使った箸で…?

ここ、と指されるのは京治のお弁当箱。

なんかちょっと意地悪だ。



「うん、じゃあお願い」

「京治、今日はちょっと意地悪モードだね…」



そう言いながら意を決して
たまご焼きを箸で掴み、京治のお弁当箱へ。



「はは、ごめん。A見てると、たまにすごく意地悪したくなる」

「えー…」



私と話してるときに
楽しそうにしてもらえるのは嬉しいけど

ドキドキしすぎてどうにかなりそうだ。



「ありがとう。じゃ、俺もこれあげる」

「ハンバーグ…!いいの?」

「うん。嫌いじゃない?」

「むしろ結構好き!」

「くっ…、そっか」



人間、腹を括るとどうにかなるようで。

もう私の使った箸で京治に渡してしまったし
それと同じことだと思うと

前よりはもらったおかずを意識せず
ありがとう、と言うことが出来た。



「あー!赤葦ずりぃ!A俺にもー」



そう言って木兎さんは
私のお弁当箱へ手を伸ばし

残り2個になっていたたまご焼きをひとつ
ひょいっと手で掴み、パクッと口の中へ。



「ん!うめぇー!」

「…あ、よかったです!」

「はー…木兎さん何してんスか。俺はおかず交換したんです。アナタもう自分の弁当食べ終わってるでしょ。Aに何か買ってきて下さいね」

「木兎、お前…バカだろ」

「さっさと買いに行けよ木兎ー」

「む。わーったよ!A、甘いもの好きか!?」

「え?あ、はい!」

「よし、ちょっと待ってろ!」



いいですよ、と言おうとした私を無視して
木兎さんは席を立ち購買へ。


それをみなさんは
笑いながら見てる。


そんな光景を見てたら
仲良しなんだな、と思って
なんだか私も笑えてきた。



「まったくあの人は…って、俺が言えることじゃないかな」

「ふふ、ううん。やっぱり楽しい」



笑いながらお弁当を食べ進めて。



帰ってきた木兎さんからは
購買で人気のスイーツをもらった。



たまご焼きの代償としては
かなり贅沢なものだった。





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39 呼び出し→←37 今度は私の



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Niko.(プロフ) - こんな青春を送りたかった..... (7月27日 1時) (レス) @page30 id: 270b34836a (このIDを非表示/違反報告)
響咲 - すごいよかったです!『最後の一行』読んだとき、嬉しくて涙出てきましたw 赤葦かっこいい/// (2019年1月1日 20時) (レス) id: 00376a9a36 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - りさん» 最後までお読みいただきありがとうございました。この上ないほどのお褒めのお言葉をいただけて、作者冥利に尽きる思いです。コメントありがとうございました! (2017年1月23日 6時) (レス) id: 338e4d695e (このIDを非表示/違反報告)
- いままで読んだ赤葦の小説の中で一番すき笑。すごいキュンキュンした。 (2017年1月21日 1時) (レス) id: 91e9e3b802 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - ?.さん» 最後までお読みいただきありがとうございました!私の思い描いていた赤葦さんに共感していただけたみたいで嬉しい限りです。甘酸っぱい恋のお話でした(笑)これからもお楽しみいただけるよう、頑張らせていただきます!ありがとうございました♪ (2016年6月15日 13時) (レス) id: 338e4d695e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆう | 作成日時:2016年4月11日 16時

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