37 今度は私の ページ9
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「おっ！赤葦ーAー！こっち！」
京治と一緒にお弁当を持って
食堂に入ってすぐ。
私たちに気付いた木兎さんが
少し向こうから手招きする。
「こんにちは」
「こんにちは！」
京治に続いて挨拶。
すると、２人分隣同士で空いていた席を
木葉さんが指さして。
「赤葦とAちゃんの席なー」
そう促されて、座った。
…前に食べたときと、同じような配置。
向かい側は木兎さんだし。
隣は、京治だし。
そう考えながら
お弁当を準備していたら。
「わっ…ごめん！」
「くっ、大丈夫だよ」
私の腕が、同じく隣でお弁当の準備をしていた
京治の腕に当たってしまった…！
夏服だから
もちろん半袖なわけで。
直接肌に触れてしまって
ただでさえ暑いのに、体が熱くなる。
パッと顔を逸らし
いそいそと準備を終わらせる。
みんなで、声を揃えて
いただきまーすなんて言って
ワイワイと食べ始めてすぐ。
「…残念だな」
「へ！？」
隣からいきなり聞こえた声に
思いっきり振り向く。残念…？
なにがだろう、と思っていたら
京治が私のお弁当箱を指して一言。
「唐揚げ入ってないなと思って」
言ったあと、京治の口角は
少しだけニッと上がった。
本当に残念に思ってくれてたのかな、と
少し疑問に思ったけど。
「あ…昨日は唐揚げじゃなかったから」
なんて笑ったら、京治もクスッと笑って
「まあ、俺も今日たまご焼き無いんだけどね」
って。
この前、一応約束していたから
ちょっとだけ残念、と思ったのは
私もだけど…
少し考えて、口を開いた。
「あのね京治…」
「うん？」
「唐揚げはあげられないけど…よかったら、たまご焼き、食べる？」
「え、いいの？」
「うん！美味しいかは、わからないけど…」
お弁当にたまご焼きを入れるときは
いつも自分で作る。
何回も作っているから
失敗はしていないし
普通に食べる分には問題ないとも思う。
ただ、完全に私好みの味付けだから
京治が美味しいと思うかまではわからない。
「え、もしかしてAが作ったの？」
「うん。いつも入れるときは私が作ってるから、失敗はしてないんだけどね…ただ、京治が美味しいと思うかどうかは私にはわからない」
へへ、と笑って告げたら。
「ふはっ…、欲しい。Aが作ったなら、きっと美味いと思うし」
…顔がだんだん熱を持つ。
こんな風に言われて
嬉しくない人なんていない…！
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Niko.(プロフ) - こんな青春を送りたかった..... (7月27日 1時) (
レス) @page30 id: 270b34836a (このIDを非表示/違反報告)
響咲 - すごいよかったです！『最後の一行』読んだとき、嬉しくて涙出てきましたw 赤葦かっこいい/// (2019年1月1日 20時) (レス) id: 00376a9a36 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - りさん» 最後までお読みいただきありがとうございました。この上ないほどのお褒めのお言葉をいただけて、作者冥利に尽きる思いです。コメントありがとうございました！ (2017年1月23日 6時) (レス) id: 338e4d695e (このIDを非表示/違反報告)
り - いままで読んだ赤葦の小説の中で一番すき笑。すごいキュンキュンした。 (2017年1月21日 1時) (レス) id: 91e9e3b802 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - ?.さん» 最後までお読みいただきありがとうございました！私の思い描いていた赤葦さんに共感していただけたみたいで嬉しい限りです。甘酸っぱい恋のお話でした(笑)これからもお楽しみいただけるよう、頑張らせていただきます！ありがとうございました♪ (2016年6月15日 13時) (レス) id: 338e4d695e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう
| 作成日時：2016年4月11日 16時
