この線、越えるか、消すか。２

８６歩目 ページ36

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─赤葦side





今日は、Aさんと２人きりで飯ってだけでも嬉しかったのに


なんだかんだ、俺の要求を飲んでくれて
ハンバーグ食べさせてくれて。


そして、今日から１週間、俺だけの。


Aさんと一緒にいたときから、何回も緩みそうになる頬をおさえるのに必死だった。
顔もなるべく紅潮しないよう、意識して。


Aさんといるとなぜか、からかいたくなってしまう。
もっと、可愛い顔を見たくなる。
俺は好きな子いじめる小学生か……
なんて。



もう、なんでもいい。
俺らしくないとか、思われてもいい。
いつもの俺と違ってもいい。

ただただ、あの人が好きだ…


１週間、絶対無駄にしない。


自分の中で、自分に誓った。


──────


京治くんに送ってもらって
部屋に戻り、ベッドの上。


ちら、と時計をみると
思っていたより遅い時間だった。

結構話し込んじゃったなぁ…


「彼女、…」


なんだかくすぐったい。
自分で言って、自分で照れる。


男の子と付き合うなんて初めてだな…
１週間だけだけど。


あ。研磨とひーちゃんには、言っておこうかな…
そう思い、とりあえず研磨に電話。



プルル、
研「もしもし」


「出るの早いね…！」


研「携帯でゲームしてたから…」


ありゃ、邪魔しちゃったな


「ごめんね！…あのね、実は京治くんに付き合って欲しいって言われて。まぁいろいろあったんだけど…とりあえず１週間、お試し彼女？みたいな…」


研「え、ほんとに。」


「嘘ついてどうする。(笑)」


研「へぇー。いいんじゃない？赤葦、悪いヤツじゃないし。その、１週間お試しって意味分からないけど…」


「まあ、とりあえずそういう報告ー。クロには言わなくていいから！またそのうち、会ったときにでも詳しく話すね！」


研「ん、りょーかい」


じゃあ、って研磨の声のすぐ後、プーップーッと機械音。



…ひーちゃんにはなんて説明したらいいんだろう。
会って話したいなぁ…

でも、部活忙しいよね


うまく伝えられる自信がなくて、必要なことだけをとりあえずメールで送った



彼氏出来た。１週間だけのお試しだけど…
赤葦京治くん。梟谷のバレー部の２年生。

詳しいことは会って話したいから、暇なとき教えてね。




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