この線、越えるか、消すか。【黒尾鉄朗】 (ページ37)

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３７歩目ページ37

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─黒尾side

さくらを送り届けて、自分ちへの道を歩く。

胸のモヤモヤが気持ち悪い
この正体も、どういう答えかも
もうわかってしまった。わかってるけど
気付かないフリをしてる。

認めてしまったら、このままじゃいられない。

「妹みたいなもんだろ、」

呟いた言葉を耳に入れる
自分で自分に言い聞かせる、ってか。

もう少しで着くってところで
Aの家の前に人影。

誰だ……？？

(…っ！)

ツいてねーな……

俺の目には、研磨に抱きしめられながら静かに泣いてるAが。

俺のせいなのに。泣かせたのは、俺なのに。
抱きしめてるのが俺じゃないことが、腹立たしいなんて

「…あー、だめだ。抑えらんねぇ。」

もう限界だ。認めてしまおう。
自分で想うだけなら、許されるよな。

(俺、Aが好きだ。)

家に入って、携帯を取り出す。

メールが一件来てて
開くと、研磨から。

明日、A１人で行きたいって。
学校行ったら、ちゃんと謝りなよ

…これ、思った以上にやばくね？
俺、アイツのことどんだけ傷つけたんだよ…
ズキズキと痛む胸をよそに

ん。わかってる。

それだけ打って、返した。

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