34歩目 ページ34
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急いだのは校門を出るまでで
そこからはとぼとぼとしか歩けなかった
…あーあ。
あんなに怒るなんて…
…はぁ。
もう何度目になるかわからない溜め息。
ふざけないで、ちゃんと謝るべきだったんだ…
みんな固まってたし。空気は重いし。
「もう、さいあくだ……っ、」
視界がぼやけて、涙が溜まってるのがわかる
でも自分が悪いのに怒られて泣く、ってすごく情けなくて、嫌だ。
目をぐいっとこすって、涙が流れる前に拭った
「帰ろ。」
ぼそっと呟いた声は
自分でも信じられないくらい、覇気がなかった
──研磨side
クロが、あんなに感情をむき出しにするのは、いつぶりだろう。
クロは自分で気付いてないけど、Aのことになると抑えがきかないよね。
早く、くっつけばいいのに。
今回は、クロが悪い。
でも、夜久さんにも謝って、反省してるみたい。
研「…クロ」
ク「あ?なんだ…」
ちょっと、落ち込んでるのかな。
研「俺、A追いかけるから。1人じゃ危ないでしょ」
ク「…っおー、頼むわ。俺は、いつも通りさくら送ってから帰る…」
研「ん。」
そう返事して、じゃあ、お先に。って周りに言い残しAの後を追う。
クロは、毎日律儀に山下さんを送る。
だからこういうとき、追いかけてあげられないんでしょ。
まだそんな経ってないのに、名前呼び捨てするくらい仲良くなっちゃって。
「うまくいかないもんだね」
暗い空に問いかけてみる。
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作者名:ゆう | 作成日時:2016年1月17日 6時