この線、越えるか、消すか。【黒尾鉄朗】 (ページ4)

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４歩目ページ4

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‥‥キーンコーンカーンコーン ──

あれ、もう朝のHRの時間かぁ。

ｶﾞﾗﾗｯ
「オラ、席つけー。新学期始まったばっかだし、委員長も決めてないから、今日は俺が号令かけるぞー。」

きりーつ、気をつけー、礼。

「おしっ、じゃ始めっぞ～」

先生も、相変わらず。
２年生のときと一緒！

(周りの環境ぜんぜん変わらないし、進級した感じしないなぁ～)

そう思いながら、先生の話に耳を傾ける

先「今日から一週間、新一年生の体験入部期間だからな～。３年生になって主将という立場の奴もいるし、しっかりしろよ～」

…そう話す先生の声が、１番しっかりしてないと思うの、私だけ？(笑)
それでも、ちょっとだけ。
３年生なんだな、って実感。

あ。そういえばクロ、主将だっけ。
普段ふざけているイメージの強いクロだけど、部活真剣にがんばってるもんね。
どんどん大人びていく同い年の幼なじみに、なんだか負けた気分になる。

…私も、頑張らなきゃなぁ。

「はぁ……。」

夜「ため息なんかついて…どうした？珍しいな」

なんとなく、本当になんとなく出たため息。
それをやっくんに聞かれちゃったみたい。

「あー、ううん。頑張らなきゃなぁって。」

夜「なんだそれ、よくわかんないなぁ(笑)」

「いいのいいの。気にしないで(笑)」

先「よーし、HRはこれで終わりだー。」

きりーつ、きょーつけー、れーい。

始まりのときよりいくらか緩くなった先生の声が、言葉が、教室に響く。

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