SPEC 覇の回 (ページ10)

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覇の回10 ページ10

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カタカタとパソコンを叩く有栖川はとあるページを開き2人に見せた。

そのページの左上には大きく『極秘資料』と赤字で書かれている。

「事故の調査書ですけど、丸山さんが提出してるものと全く違うものが警視庁のデータベースにあったんです」

「警視庁のデータベース……？

え、まさか、ハッキングですか！？」

澄ました顔して丸山を見上げる有栖川。

「何か問題でも？」と言いたげな瞳に丸山の正義感が揺らぐ。

「言ったじゃん。うちには"情報のスペシャリスト"がいるって」

「でもこれ、バレたら懲戒ですよ？？」

「バレなきゃいいんですよ、」

「え？？」

「ロクな情報も渡さず事件解決してくれ、なんて言われてもね。

そんな都合のいいこと出来るわけないじゃないですか」

買ってきたであろう缶コーヒーのプルタブを開け、コーヒーを啜る有栖川。

頬杖をつく大野はうーんと唸った。

「アリスちゃんはどう思う？」

「どう、というと？」

「今回も……？」

主語のない2人の会話に付いていけない丸山は、頭に？を浮かべる。

「あの、どういうことですか？」

「え？まさか、係長説明してないんすか？」

「アリスちゃん説明お願いっ！」

可愛くお願いポーズをとる大野に、有栖川は盛大にため息をついた。

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