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覇の回7 ページ7
．
とあるビルの屋上。
街を見下ろしながら、1人の青年は呟いた。
「………また1人、増えたな」
「ってことは……」
「これ以上増えると、お偉いさん方がやいやい言うから」
青年は小さなため息を漏らした。
青年の隣に立つ背の高い青年は小さく訪ねた。
「＿＿＿＿は、それでええの？」
「………さぁ、」
「さぁって……！」
彼を見上げる青年の瞳が、彼の言葉を詰まらせた。
「行くで、」
「………、」
「しょーもないこと言うなや。
お前が居らなアカンねん、」
増えてしまった空間の歪みを消す。
それが青年の仕事であり、青年の使命である。
しかしそれが青年を傷つけ、苦しめているのもまた現実だ。
「最後に１個だけ…ええ？」
「……なんや？」
「俺達………」
背の高い青年は唇をキュッと結び、首を振った。
「やっぱ、何もない」
「そうか」
"俺達、また昔みたいに笑えるよな？"
そんな愚問は青年の心の中にそっと仕舞われた。
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作者名：ゆう☆
| 作成日時：2016年2月18日 3時
