覇の回49 ページ49
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「この前の質問、答えてもいいですか？」
桐山宅を出た有栖川は丸山にそう尋ねた。
一方丸山はキョトンとしている。
「なんで刑事になったのか、っていう質問」
有栖川の言葉に丸山はあぁと声を漏らした。
「小学生の時両親を殺されたんです。私が学校に行っている間に自宅にいた両親は惨殺されました。
でも現場から犯人を特定出来るものは見つからず、そのまま時が経ち犯人を逮捕することが出来ないまま時効が成立したんです」
有栖川は前を見てゆっくりと歩きながらそう言った。
そんな彼女を見る丸山はなんと口にしていいか分からず、ただ黙っていた。
「両親を殺された私は父方の祖父母の家に引き取られました。祖父は以前警視庁に勤めていて、両親の事件のことと祖父の影響で刑事になる道を選びました」
そして、と付け加えた有栖川。
「そして大学時代に横山先輩と出会い、SPECの存在を知りました。SPECに関する論文には殆ど目を通しましたし、SPECに関する研究も2人でやってきました」
澄み渡る青空の下で、有栖川は空を仰いで口を開いた。
「そこで両親の事件に関する不可解なことを幾つか見つけ、犯人がスペックホルダーだと解ったんです。
まぁ犯人は特定出来ませんでしたし、20年近く前の事件なので証拠品もあまり残ってませんから、結局未解決のままなんですけどね」
ふわりと笑った有栖川はまた歩き出した。
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作者名：ゆう☆
| 作成日時：2016年2月18日 3時
