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覇の回44 ページ44
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下唇を噛み締め、中間は睨み付けるように有栖川を見た。
「桐山照史は病死じゃない。彼は殺されたんです。貴方に」
「どうやって？」
「まだしらばっくれるんですか？」
はぁとため息をもらす。
「スペックホルダーなんでしょ？貴方は」
そう言った刹那、望は大きく目を見開いた。
「貴方のSPECは閉鎖間にあるものを膨張させるSPEC。
桐山の心臓はまるで血液が急激に増加し、心臓が内側から避けるように破れていた。
貴方のSPECならそうやって人を殺すことは可能でしょう？」
中間が握りしめた拳がわなわなと震えている。
丸山は心配そうにそれを見つめていた。
「………許せなかった、」
小さな声でそう訴えた中間。
「俺だけに心を開いて、俺だけ見て、俺だけ相手にしてればいいのに……。
内気な俺と違って、社交的やった照史には友達も人望も、俺にないものを沢山持っていて羨ましかった」
望は冷めたような瞳で、訴え続ける中間を見ていた。
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作者名：ゆう☆
| 作成日時：2016年2月18日 3時
