SPEC 覇の回 (ページ37)

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覇の回37 ページ37

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警視庁の喫煙ルームのソファに座り、とある番号に電話を掛けた。

昔からの友人、とでも言っておこう。

大野にとってそれだけ親密で、またそれだけ秘密を共有している仲なのだ。

「面白い奴だ… 」

電話を切った後そう囁いて微笑んだ。

少々変わり者の友人との会話を楽しんだ大野は、新しい煙草に火を付ける。

その刹那、喫煙ルームの扉が開き彼の同期である櫻井翔が顔を出した。

「お、翔くん久しぶり」

「全く、困るんだけど」

「何が？？」

ため息を履いて大野の隣に腰掛けた櫻井は、ポケットから煙草を取り出して口を開いた。

「智くんの部下の有栖川、またうちの錦戸借りたでしょ？」

「へ？そうなの？」

「そうなの？じゃないよ。確かにあいつは優秀だけど、１課が片した事例をいつまでも調べる挙句、俺の部下を使いパシリにする癖はそろそろ治して欲しいんだけど」

「今度ｵｲﾗからも言っとくよ」

温厚な大野はふわりと笑い、櫻井を宥める。

そんな大野に呆れる櫻井は、またため息を漏らした。

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